記事は、中国政府がこのほど発表した中国製造業景況指数によると、5月の工業生産は低調だったと紹介。製造業の購買担当者景気指数(PMI)が前月の50.4から49.5に低下し、製造品の新規輸出受注指数も50.6から47.2に下がり、いずれも経済の成長と縮小のボーダーラインと言われる50を下回ったことを伝えた。
そして、5月に苦戦したのは製造業だけではなく、建設業の新規受注指数も4月の45.3から5月は44.1に低下し、サービス業の事業活動サブ指数も前月の50.3から47.4に低下したと指摘。中国では引き続き輸出が低迷を続け、不動産セクターの落ち込みは深刻化し、若者の失業率は急上昇し、個人消費も冷え込んでいるとした。
また、第1四半期の経済成長が予想を上回ったことは、中国政府が掲げた今年の経済成長率5%近くを達成するための下支えとなったほか、5月中旬には外需の高まりに伴う国内産業の生産刺激や、不動産セクターの危機緩和など、経済発展を促す政策が改めて実施されたものの、その効果が顕在化するにはまだ時間がかかりそうだと指摘。国際通貨基金(IMF)も近ごろ中国の経済成長予測を上方修正したばかりであるものの、中国式経済成長モデルはすでに過去のものとなり、持続不可能であることが浮き彫りになったと評している。
記事はさらに、アジア開発銀行(ADB)は先ごろ今年の中国経済が引き続き冷え込む見込みだとし、昨年5.2%だった経済成長率が今年4.8%に落ち、来年はさらに4.5%にまで減速すると予測したこと、貯蓄の70%に当たるとされる不動産の危機が続く中で個人を含む各方面の投資家の悲観的な見方が続き、個人消費と民間投資に悪影響を及ぼすと論じたことを併せて紹介している。(翻訳・編集/川尻)