複数の関係者によると、自民が、派閥の政治資金規正法違反事件に伴う逆風を受けて独自候補の擁立を見送るため、小池氏は自民への推薦依頼を検討していた。しかし、自民は4月の衆院3補欠選挙のほか、港区長選など都内の選挙で相次いで敗北。さらに、出馬表明した立憲民主党の蓮舫参院議員(56)が「反自民」を前面に打ち出したことから、小池氏は自民の推薦を受ければ、与野党対決の構図に持ち込まれる恐れがあると判断した。
政権与党の足並みに配慮し、公明党にも推薦を求めない。小池氏と協力関係にある国民民主党や、自身が特別顧問を務める地域政党・都民ファーストの会の推薦も得ないで、党派色を薄めたい考えだ。ただ、各党の自主的な支援は拒否しないとみられる。
小池氏は当初、都議会定例会が開会する5月29日に立候補を表明する意向だった。しかし、蓮舫氏が2日前の同27日に出馬表明したことなどを受け、自身の表明時期を慎重に検討。定例会閉会で公務に区切りがつくとして、今月12日に切り替えたという。
都知事選には蓮舫氏のほか、30人以上が立候補を表明している。