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【中国】「陸地国境法」制定、国境地帯の管理強化へ…中国側に監視設備・ドローン禁止、国境地帯での重大事件・テロに対処
【北京=比嘉清太】中国の習近平(シージンピン)政権は、陸上の国境地帯の管理強化に向けて「陸地国境法」を制定する。全国人民代表大会(全人代=国会)が20日に法案を公表した。昨年に軍事衝突があったインドとの国境地帯などで実効支配を強める狙いのようだ。
法案では、中国政府と軍の許可に基づき、隣国との陸上国境の「中国側」で交通や通信、監視、防衛のためのインフラ設備を建設できるとした。国境付近でいかなる組織・個人も恒久的な建築物を許可なく建設してはならないと定め、違反すれば原状回復を命じ、罰金を科す規定も盛り込んだ。
戦争発生時には国境地帯を封鎖できるとした。違法な越境者が暴力行為に及べば武器を使用できると定め、国境付近で許可なくドローンを飛ばすことも禁じた。法案は、国境地帯について、中国の行政区域などのほか「国境付近のその他の区域」という曖昧な定義を示している。他国との係争地を念頭に置き、相手国をけん制する思惑もあるとみられる。
また、中国軍や武装警察部隊が国境地帯で発生した重大事件やテロへの対応にあたり、違法な越境の防止にあたると定めた。中国は、イスラム主義勢力タリバンが全土を掌握したアフガニスタンと接する新疆ウイグル自治区にテロ組織が流入する事態を警戒している。
◆陸地国境法案のポイント
▽国境地帯の防衛に向け「中国側」地域で通信や監視の施設を建設できる
▽中国軍や武装警察が「武装侵略」を防御し、国境地帯での重大事件・テロに対処する
▽違法越境者の暴力行為に武器の使用を許可
▽戦争や武力衝突の発生時は、国境地帯を封鎖できる
読売新聞 8/22(日) 22:14配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20210822-00050144-yom-int