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韓国、1人当たり国民総所得は日本を超えたが…先進国評価の4万ドル達成までは遠い道
GNIは国民が手にする実際の所得と乖離がある。まずGNI自体が国内総生産(GDP)に基盤を置いた統計だ。GDPは国の経済規模を把握するのに役立つ。だが国民の平均的な生活水準を把握するには不足する。
1人当たりGNIはGDPに国民の海外所得を加え外国人の国内所得を引いた値を人口数で割った値だ。GDPに基盤を置いただけに家計だけでなく企業や政府が稼いだ金まで含んだ所得を算出する。
したがって1人当たりGNIを国民が体感する実際の所得と混同してはならない。例えば昨年1人当たりGNIを1ドル=1300ウォンを適用して換算すれば4700万ウォン水準だ。4人世帯基準で1億8800万ウォンに達する。統計庁の「2023年家計金融福祉調査」による4人世帯年平均所得6762万ウォンの3倍に達する。所得上位10%の4人世帯所得の1億1447万ウォンとも差がある。
高物価の影響も考慮しなければならない。1-3月期の実質GNIは前期比2.4%増えた。だが同じ期間に実質家計所得は1.6%減った。物価上昇率が3%台を記録したためだ。日本と比較するのも錯視に気を付けなければならない。円は記録的な安さを示している。円の価値が下がりドル基準のGNIが減ったように見えるだけだ。
1人当たりGNIだけで見るならばすでに人口5000万人を超える国のうち、米国、ドイツ、英国、フランス、イタリアに次いで6番目に高い。所得だけ見れば主要7カ国(G7)水準だ。
今後の課題は先進国と評価される1人当たりGNI4万ドルの壁を超えることだ。今回の改編により1人当たりGNI3万ドル達成時点が2017年から2014年に前倒しされ、韓国は10年連続3万ドル台にとどまっている。韓国より3万ドルを先に超えた米国、ドイツ、英国、フランスなどが平均約6年で4万ドルを超えたことを考慮すれば足取りは鈍い。
韓国経済は最近潜在成長率が下がり続けるなど既存の輸出中心の経済成長構造が限界に至った姿が感知される。韓国の潜在成長率は▽2001~2005年に5.0~5.2%▽2019~2020年に2.5~2.6%▽2021~2022年に2%水準と下り坂だ。潜在成長率は国の資本と労働力、資源などすべての生産要素を投じて物価上昇を刺激せずに達成できる最大の成長率水準を意味する。ここに世界最悪の少子高齢化まで重なり構造改革と成長動力強化を進めるべきという声が高い。
梨花(イファ)女子大学経済学科の石秉勲(ソク・ビョンフン)教授は「少子高齢化傾向に対応するため労働や年金などの構造改革を推進し潜在成長率を高めないなら国民所得4万ドルも色あせるだろう」と話した。
だが政府と通貨当局は期待を育てている。崔相穆(チェ・サンモク)経済副首相兼企画財政部長官は先月、「政府内で1人当たりGDP4万ドルを達成できるとみている」と話した。国際格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)も韓国の1人当たりGDPが2025年に3万7700ドル、2026年に4万500ドルに達すると予想した。
中央日報日本語版 2024.06.11 07:13
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