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男女混合5人制の手打ち野球「ベースボール・ファイブ」 世界一目指し6月に国内リーグ立ち上げ
2024/6/1 10:00
https://www.sankei.com/article/20240601-5AC4ZJLDEFKMXIEZEGK2JPRPS4/
男女混合5人制の手打ち野球「ベースボール・ファイブ(B5)」の国内リーグが今月発足する。日本代表は4月に韓国・ソウルで開催されたアジア・カップで初優勝。国内のレベルも上がっている中、さらなる競技普及や10月に香港で開催されるワールドカップ(W杯)に向けた代表強化への新たな一手となる。
B5は、バットやグローブなど高価な道具は不要でボール1つで試合ができる。新たに球場を建設する必要もないため、野球になじみの少ない欧州やアフリカでも普及がしやすく、現在、100カ国・地域で親しまれている。競技を統括する世界野球ソフトボール連盟(WBSC)は、将来的な五輪採用を目指している。
国内では2019年に初めて講習会を開催。競技人口も徐々に増えており、今年2月の日本選手権には32チーム(1チーム8人)がエントリーした。日本代表は8カ国・地域が参加した4月13~16日の第2回アジア・カップで、台湾を決勝で下し初優勝。10月のW杯も優勝が目標だ。
選出された日本代表は、元プロ野球選手や大学生、会社員とバラエティーに富んだ顔ぶれ。代表としての活動はこれまで、大会の約3カ月前に集合して練習を行う形だった。「モチベーションの維持が難しい」との声もあり、リーグ発足へとつながった。
リーグ戦には7チームが参加。6~11月に各チーム月1回、2試合ずつを戦う日程で、年間42試合を予定している。6月15日に東京都町田市の桜美林大体育館で開幕。会場は他に埼玉県の加須市立志多見小の体育館を予定しており、一般観戦も可能となっている。
WBSCの公認インストラクターで、日本代表の六角彩子さんは、B5の魅力を「男女が一緒に、平等に試合ができるところ」と語る。六角さんは兄の影響で小学4年から野球を始め、14、16年の女子野球W杯に日本代表として出場した経験を持つ。「男性と女性では、パワーやスピード、取り上げられ方にも差がある」。そう感じていた矢先、出会ったのがB5だった。
B5は打球をフェアゾーンにワンバウンドさせるルールがあり、本塁打はない。「パワーで遠くに飛ばせばよいという競技ではない」と六角さん。塁間も野球の27・431メートルに対し、約半分の13メートルしかないため、「男女で大きな差が出づらい」という。
また投手はおらず、打者はゴムボールを自らトスして手のひらか拳で打つ。「野球やソフトボールの経験がない人でも、空振りすることはほとんどない。成功体験が得られやすいスポーツ」。国内リーグを通じて、競技の普及、発展にも努めていく。
■ベースボール・ファイブ
WBSCが2017年、キューバで遊ばれていた「クアトロ・エスキーナス(4つの角)」と呼ばれる手打ち野球を基に野球、ソフトボールに次ぐ、第3の競技として開発。18メートル四方とコンパクトな会場で実施する。打球はフェアゾーンでワンバウンドさせる必要があり、空振りやファウル、ノーバウンドでフェンスを越えた場合などはアウトとなる。守備は5人で、アウトの取り方は野球と同じ。5回制が基本で、試合時間は20~60分程度と短い。国際大会では男女各2人以上でチームが編成される。(運動部 神田さやか)