国内の森林整備を目的とし、この6月から導入される新しい税金で、1人年間1000円が徴収される。住民税に上乗せされて徴収され、納税者約6200万人から年間約620億円の税収となる。
東日本大震災の復興のため2014年から年間1000円徴収されていた「復興特別税」が2023年に終了。切り替わる形での導入となる。
「森林環境税」はいったん国に納められた後、各自治体に配分される。導入を目前にし、Xでは5月29日から「森林環境税」がトレンド入り。その反応はというと、ほぼすべてがネガティブなものだ。
《メガソーラーで自然破壊しておいて 森林環境税と言って金とる矛盾》
《阿蘇、知床などなどあちこち自然破壊し、メガソーラーだらけの山とかにして森林環境税?!森林守る為なら出せるけどこんなのに出したくない!!》
《再エネ賦課金とって山削ってソーラーパネルつけて、森林守るために森林環境税取るよって頭爆発しそうなんだが》
「日本の国土の3分の2は森林ですが、林業が衰退しつつある現在、森林の荒廃が問題になっています。森林の荒廃は土砂災害の危険度を増大させますし、森林の保護は温室効果ガスの削減にもつながります。
ですから、この新税の導入に意味がないわけではないのですが、日本各地で森林が切り開かれ、膨大な数のメガソーラーが設置されている現状に矛盾を感じる人が多いのも無理からぬことでしょう」(週刊誌記者)
メガソーラー建設で森林を伐採したことが原因とみられる土砂災害は各地で発生している。2024年1月の能登半島地震では、少なくとも19カ所の太陽光発電施設で破損・崩落する事故が起きているが、なかには事業者と連絡が取れず、そのまま放置されているところもある。
2024年3月には鹿児島県のメガソーラー施設で火災が発生。感電の恐れがあって放水できず、鎮火まで20時間を要し、消防隊員4人が爆発で負傷している。
2022年5月の時点で、再エネ開発(太陽光と風力発電)によって約2万3000ヘクタールの森林が失われたとするデータもある。
「森林環境税の使いみちにも問題があります。この税に先行して、国は2019年から『森林環境譲与税』を自治体に交付してきました。しかし、交付されたうちの約4割が活用されていないことがわかっています。森林のない都市部にも交付されており、ほとんどが積み立てられたままという、大矛盾をかかえているのです」(同)
政府の補助金が5月で終了し、6月から電気代は大幅アップ。その上、矛盾だらけの新税――納得しろというほうが無理というものだ。