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【中国】五輪メダリストの名前「横取り」した商標109件却下。「堀米雄斗」も申請中
無印良品、今治、青森……日本の著名ブランドや地名が中国企業に商標申請・登録されるケースが後を絶たないが、東京オリンピックのメダリストたちも、早くもターゲットになっている。中国で知財行政を所轄する国家知識産権局は8月19日、「企業が選手の姓名やニックネームなどを奪ってその名声を不正に利用するのは権利の侵害」として、109件について申請者名などを公表し、「却下する」と発表した。卓球の伊藤美誠選手やスケートボードの堀米雄斗選手も商標申請されているとの情報があるが、リストに掲載されたのは中国人選手のみだった。
金メダル翌日に申請ラッシュ
109件の内訳をみると、商標申請は東京五輪で突如注目された「新星」に集中している。もっとも多かったのは国際大会初出場ながら女子高飛び込みで金メダルに輝いた全紅嬋選手。14歳であることや貧しい農村で生まれた5人きょうだいの真ん中の子どもという生い立ちがクローズアップされ、全紅嬋選手の実家に野次馬が押し寄せるフィーバーが起きた。彼女が金メダルを獲得したのは8月5日。知識産権局によると、翌6日から10日にかけて「全紅嬋」の商標申請は30件あり、全て却下される。
また、全紅嬋選手はインタビューで「あなたはどんな性格ですか」と質問された際に、「性格(Xingge)」を発音が同じ「杏哥(杏兄さんの意味)」と勘違いし「杏哥?杏哥って誰?」と聞き返した様子が大きな話題になった。この「杏哥」に至っては53件が商標申請されていた。
他には射撃で2つの金メダルを獲った清華大学在籍の楊倩選手に関係する言葉が9件、男子100メートル準決勝でアジア新記録となる9秒83を出した蘇炳添選手のニックネーム「添神」が12件あった。
「伊藤美誠」はリオ五輪前に申請、現在は無効
中国オリンピック委員会も8月18日、SNSウェイボの公式アカウントで「中華人民共和国商標法」「中華人民共和国反不正当競争法」などに基づき、本人(未成年の場合は保護者)の同意がなければ、選手の姓名を商標に申請してはならないと警告した。
同リストには入っていないが、伊藤美誠、堀米雄斗両日本人選手も商標申請されているとの情報が流れている。企業データベースの「企査査」などで検索すると、「伊藤美誠」はリオデジャネイロ五輪2カ月前の2016年6月に深セン市の企業に商標申請されたものの、却下されて無効となっている。
一方、「堀米雄斗」は東京五輪開幕前の7月28日、25類(アパレル、靴、帽子など)で個人によって商標申請され、現在は「申請中」のステータスだ。
(略)
2021/08/21 08:0136Kr Japan
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/36kr/business/36kr-147836