※5/29(水) 11:12配信
47NEWS
「完成後も、みんなに使われる橋や建物と違って、壊すものを造っとる。しかもそれが批判を浴びとる。やる気は上がらへんよね。税金の無駄遣いと思いながら、それで飯を食っていて、複雑な心境ですわ」
来年4月13日の開幕まで1年を切った2025年大阪・関西万博。象徴とされる木造の巨大環状屋根「リング」を建設する下請け企業の男性経営者が、取材に語った。
「張りぼてのまま開幕するんやろか」。大型トラックが次々と行き来し、重機が音を立てる夢洲(ゆめしま)の万博会場建設地や事務所で、建設会社の担当者や作業員らに話を聞いて回った。国策の現場で明らかになったのは、工事関係者でさえ魅力を感じていない現実だった。
▽つぶすもん
関西地方にあるリング工事の下請け会社を経営する40代男性の今宮さん(仮名)は開口一番、ため息交じりに語った。
「結局、つぶすもんやないですか」
取引のある大手企業からの依頼で、下請けとして工事に参加している。
日本国際博覧会協会(万博協会)は、約350億円を投じてリングを建設するが、閉幕後に現地から撤去する可能性がある。「世界一高い日傘」と揶揄(やゆ)する声や、無駄遣いとの批判が上がっている。
▽日当1万円→1万8千円
新型コロナウイルスの流行・収束と、ウクライナ戦争を機に、資材価格は上昇。国内の働き手不足から、賃金も高騰している。
万博の会場整備費は当初試算の1250億円から2倍近くに膨れあがる可能性もある。
今宮さんが人集めの実情を明かす。
「日雇い労働者が集う大阪・西成で、万博工事以外で作業員を集めようとすれば、数年前までは日当1万円やった。今は1万8千円。こんな状況やから、わざわざ予算の限られた万博に職人さんが来うへんし、そもそも職人さん自体が減って、おらん状況や