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いじめの低年齢化 幼稚園で殴る蹴るのいじめ…対策を求めた父に園は「退園」を迫った
https://www.tokyo-np.co.jp/article/329408
2024年5月26日 06時00分
幼稚園でいじめを受けたと訴える男児(6)の父親(48)が、いじめ防止対策を未就学児にも広げてほしいと東京都渋谷区議会に提出した請願が、全会一致で採択された。いじめに関する法律や区条例では幼稚園や保育園は対象外になっている。「いじめが低年齢化しているのに対応が不十分」と、実態調査や対策強化を求めた。(榎本哲也)
◆園側「子ども同士のじゃれあいの延長線上での出来事」
請願を出した豊島区に住む父親によると、今年3月まで渋谷区内の私立幼稚園に在籍していた長男が昨年9月の夏休み明けに「幼稚園に行きたくない」と言い出し、複数の同級生の名前を挙げ「6月と7月、殴られたり蹴られたりした」と訴えた。以前から、夜中に泣き出すことなどがあった。父親は園を休ませて心療内科へ通院させた。
長男は10月に登園を再開したが、11月14日、同じ同級生に蹴られるなどされたと訴え、再び登園できなくなった。園は12月、「調査したが、いじめはなかった。子ども同士のじゃれあいの延長線上での出来事」と結論づけたという。
園は対策を求めた父親に退園を促したという。父親は納得できず、退園を拒否。長男を園に在籍させたまま、特例で短期入園できた豊島区内の保育園に3月末まで通園した。長男は4月から公立小に入学。現在は元気に登校している。
◆「同じ被害に遭う子どもを出さないために」
父親は園との交渉と並行して、区や都、警察の窓口にも相談した。その際に、窓口の担当者が口にした言葉が気になっていた。
「幼稚園は、いじめの法律の対象外ですから」
長男のいじめ問題に幼稚園が後ろ向きだったのは、「法律の壁」があったからでは。そう考えた父親は3月11日、渋谷区議会に請願を提出。
(1)未就学児のいじめ実態調査
(2)幼稚園教職員らへの研修の実施
(3)いじめ被害・加害園児らへのケア
—などを区に求めた。
父親は取材に「幼稚園の対応には、今も納得していない。長男と同じ被害に遭う子どもを出さないために、何かできないかと思った」と請願の理由を話す。
請願は3月21日の本会議で全会一致で採択された。
父親の請願提出を支援した桑水流(くわずる)弓紀子渋谷区議は「幼稚園や保育園でも、いじめは起こりうる。制度のはざまで見過ごされ、苦しい思いをしている子どもたちを考えると、請願は大切な指摘だ。区内の実態調査など、未就学児のいじめ防止対策の強化を区に求めていきたい」と話している。
長男が通っていた幼稚園の園長は東京新聞の取材に「ご質問にはプライバシーにかかわる事項が含まれているので、回答は差し控える」とコメントした。
◆「教員だけでは対応が困難」
いじめ問題に詳しい内田良・名古屋大大学院教授(教育社会学)の話
(略)
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