【 写真あり】萩生田氏、“番長”だった高校時代
「しんぶん赤旗日曜版」が情報公開法に基づき、領収書の写しを入手したところ「クレジットカードでのお支払い」「カード利用分」などと記載された領収書が複数、見つかったというのだ。取材をした「赤旗日曜版」の山田健介デスクが解説する。
「萩生田議員は、会見で『パーティー券の収支を銀行口座でしていたので、還付金(裏金)は別にする必要があった』と説明、『自分の机の鍵つきの引き出しで(現金で)保管しておりました』と述べていました。『クレジットカードでの支払い』とされていたのは、2020年から2022年までの訂正分で、萩生田議員の選挙区内にある高級料理店のほか5枚、計77万円ありました。クレジットカード決済ということは、銀行引き落としになります。会見での説明とは明らかに矛盾します」
もっとも、修正された報告書も、不明分が4万円まで減っているとはいえ、国外の支出分には領収書の添付がないまま、依然として支出先と金額だけが記載されている状態という。あきれたことには、同じ日に、米国とオーストラリアでの支出が記載されているありさまだという。
「萩生田議員の事務所に問い合わせると、勘違いだったなどの理由で、その逐次に、訂正をしている状態でした。おそらく、最初の訂正報告書で支出先が『不明』としていたことで批判を浴び、使途を埋めるために領収書をかき集めたのではないかと思われます。というのも、添付された多くはなぜか、再発行の領収書です。もともと『東京都第24選挙区支部』の名義ではない領収書を書き直した可能性が否定できないのです」(山田氏)
かりに萩生田氏も含め、クレジットカードの決済用個人の銀行口座に代金を振り込んだ場合、課税対象になり得るという識者も多い。つまり、脱税の疑いも出てくるのである。しかも、この「クレジットカード支払い」分以外にも、不自然な点があった。2020年分の訂正で会食や贈答品代として5回、計143万9610円の支出を追加しているが、うち4回分、131万3610円の支出先は前出の高級料理店で、うち3回分、110万3640円が同じ日付なのだ。この料理店は、訂正前から会議費として20万4360円が支出されている。つまり、同じ日に、同じ店に計130万8000円も支出したことになる。
ひとり数万円はする高級料理店であるにしろ、この金額が事務所の人間だけの会議費とは考えにくい。もし仮に、選挙区内の有権者が会食にまじっていれば、公職選挙法の買収にあたる疑いもある。
「萩生田氏の『現金で引き出しにしまっていた』という説明は、当初から、表に出せないカネ、つまり『裏金』として、選挙で触法性の高い使途や、個人的な飲食に流用するために、出し入れの記録が残る事務所管理の銀行口座に入れなかったのではないかという疑いがありました」(週刊誌記者)
萩生田氏が会見で明かした使途は、議員や外国要人、マスコミを含む有識者との会合、外遊時の政務活動費と説明していた。「私的なものに使うといったことや、私やそのほかも含め、選挙に関連する支出はございません」とも言い切っていた。
今回、本誌が萩生田氏の事務所に取材を申し込んだところ、以下のような回答だった。まず、領収書に再発行が多数、含まれているのは、「追跡調査をおこない、再取得したものです」。また、複数の領収書で同じ日、同じ店に130万8000円の支出があることは、「当時、6月から7月頭にかけて開催された会合が4回あり、後日、その領収書がまとめて送付されたので、発行日が同日になっているところです」。また、クレジットカードの決済口座は、「金融情報については外部のお問い合わせに回答していません。私的流用や不正な支出はありません」とのことだった。
旧安倍派の中堅議員がうんざり顔で言う。
「岸田文雄首相は、面倒な森喜朗元首相との緩衝材になってくれて、総裁選でもある程度、旧安倍派をまとめてくれそうな萩生田さんを重宝しているようです。しかし、地元に帰って裏金問題でつるし上げられている旧安倍派の議員は、みな『誰がついていくか』と言っていますよ」
疑惑の代償は大きかったようだ。