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【昔から】韓国の外交につきまとう信頼問題 「背信」「信義にもとる」他国からこのような言葉をこれほど多く聞く国はない
信頼の問題だ。金与正副部長は韓国当局者の背信的行動に遺憾を表した。背信という表現は国の間であまり使わない極端な用語だ。何か曲折があるのだろうという疑いが生じる。
しかも韓国政府がこうした言葉を聞いても北朝鮮側にいかなる対応もしないため、話せない理由があるのだろうという疑問はさらに強まる。おそらく数カ月間にわたる南北首脳間の親書交換過程で、我々が連合訓練をしないという言質を北朝鮮に与えたのではないかと推測させる。
行き過ぎた推測だと言う人たちには、韓国の外交にこのようなことが頻繁にあることを話しておきたい。ハノイ米朝首脳会談当時も韓国は米朝間で中間の役割を自負しながら米国側の事情を北朝鮮に説明した。
世間に知られたその過程で韓国側は妥結に対する北朝鮮の期待を膨らませたが、米国は交渉を決裂させたため、北朝鮮は韓国が誤って導いたと憤慨したということだ。ハノイ以降に南北の接触が中断した背景に、韓国の粗雑な役割があったというのは広く語られている解釈だ。
それが事実だとしても、政府が韓半島平和プロセスに集中して生じたことであり、特異な状況に置かれた政府と気難しい北朝鮮の間に起きた例外的な事例と見るべきだと考える人もいるだろう。
しかしこれも正しくない解釈だ。類似の事例が過去に韓国政府と北朝鮮以外の国の間でもよく見られるためだ。ここでは2つだけ紹介しよう。
朴槿恵(パク・クネ)政権当時、韓国が在韓米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備を許容すると、中国外相は公開的に韓国が信義にもとる行動をしたと一喝した。
背信ということだ。我々は公開的な対外対応をしなかった。その間、中国に対してどのような話をしてきたために中国がこのような態度で出てくるのかと疑問を抱くしかなかった。我々には立ち上がって反論できない理由があるように見えた。
また歴代政権はロシアに対してガスパイプライン、電力網、鉄道網の構築など巨大プロジェクトを提起しながら、実際には進展しないパターンを繰り返した。ロシア側がこうした接近を見て信頼性に疑問を抱いたのは昨日今日のことでない。
このように見ると、「背信」「信義にもとる」という言葉は歴代政権があちこちで聞いてきたことが分かる。韓国ほどの国際的地位を持つ国のうち、他国からこのような言葉をこれほど多く聞く国はない。このような言葉を聞いて黙っている国もない。韓国外交の悪い習慣の一つといえる。
さらに最近、似た非難を受ける余地がある事案がまた浮上している。THAAD関連3不文案の意味に関する声がそれだ。THAAD3不文案は青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)が主導して中国と調整し、外交部長官が国会外交統一委で公表した。
ところが最近、政府側の人たちが「これは約束でなく協議だったため必ずしも守る必要はない」という趣旨の発言をしている。筆者はTHAAD3不のように韓国の安全保障を制約する立場を安易に公表したのは問題だと考える。
ところが約束であれ協議であれ政府が中国と調整して立場を公表した以上、ここから離脱するには体系的で説得力ある外交的な議論過程を通じて抜け出す必要があるとみる。こうした過程もなく任期末に言葉を変えるような形で手を引こうとすれば、さらに大きな問題を招きかねない。
中央日報 2021.08.20 11:19
https://japanese.joins.com/JArticle/282112