実験では、20代の男女22人を参加者として実験を行った。参加者には、ゲーム実況やニュース、学びの3カテゴリーについて、それぞれ実写配信型と3D配信型、2D配信型の動画を視聴してもらい、アンケートに回答してもらった。
結果、ゲーム実況では約46%で3D配信型が支持され、次いで約41%で実写配信型が支持された。3D配信型が良いと回答した理由として「ゲーム実況に関しては笑っているタイミングが多々あるため、実際の顔や、大まかに表情が分かるアバターでも良いと感じた」「ゲーム実況では配信者の反応込みで(反応や様子を楽しみに)視聴していたため、配信者を見る時間が長くなり、その分受ける印象も変わった」といった意見があった。
ニュースでは、実写配信型が全体の約55%で最も多く支持された。この理由として「どれも平たんなトーンや表情で話す場合、ニュースや学びなどは実際の顔が見えた方が微妙な表情変化が分かりやすかった」といった意見があった。
学びでは、実写配信型が全体の約64%と最も多く支持され、次いで「どれも変わらなかった」が全体の約23%と多かった。「どれも変わらなかった」を回答した理由として「スライドに集中するため、配信者の形態はあまり気にならなかった」といった意見があった。また「問題を一緒に解いているような感覚があって良かった」といった内容に関する意見がとても多かった。
以上の結果から、動画カテゴリーによって適した配信スタイルが異なることを示唆する。ゲームなどのエンターテインメント色が強いカテゴリーではアバターを用いたVTuberが親しみやすいのに対し、ニュースや学習コンテンツなど情報伝達を主目的とするカテゴリーでは実在性のあるYouTuberが信頼を得やすいことが明らかになった。
2024年05月17日 08時00分