発売中の「週刊新潮」によると、東京・渋谷税務署が区内在住のスポーツ選手の重点調査を打ち出し、坂本に申告漏れの疑いが浮上。確定申告で銀座や六本木の高級クラブなど、年間2000万円の飲食費を必要経費として確定申告で計上していたという。坂本の推定年俸は日本人選手最高の6億円。なんともケチくさい話だ。坂本側は「これまで飲食費は認められてきた」などと主張し、当局と協議を続けているという。
翻って麻生氏の「政治とカネ」だ。突出した豪遊は知られるところだが、傘寿を迎えても衰え知らず。麻生氏の資金管理団体「素淮会」の22年分の政治資金収支報告書には、「会合費」が280件も記載され、総額は1934万円に上る。料亭や高級レストランなど、ウン十万円の支払いがゴロゴロある。毎月約161万円、毎週約37万円を使った計算だ。
自粛、自粛の日々だったコロナ禍1年目の20年もアクティブで119件、1722万円を支出。21年はやや減って86件だったものの、944万円を費やしていた。
■政治資金規正法の俎上にのせないと…
立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏(税法)はこう指摘する。
「市民目線からすれば、高級店での飲食は政治活動には見えません。一般企業に税務調査が入り、社長の私的な交際費を経費として処理したことが判明すれば、必要経費とは認められない。追徴課税のペナルティーを食らいます。麻生氏もそうですが、政治家は同じ日に数軒をハシゴするケースが多々見られる。政治活動と全く関係のない事務所内外の出費を収支報告書に紛れ込ませている疑いもある。国会では政治資金規正法改正をめぐる審議が本格化していますが、こうした問題も俎上にのせないと、ザル法が温存されてしまいます」
国会議員は年間2000万円超の歳費のほか、領収書不要の調査研究広報滞在費(旧・文書通信交通滞在費)を毎月100万円も手にしている。それでも足りないと献金や政治資金パーティーを通じて集めたカネは、飲み食いに消える。永田町の住人以外、納得がいかない。見直し必須だ。