府は万博に府内の小中高校と特別支援学校の児童・生徒約85万人を無料招待する事業を計画中。夏休み前のピーク期間に1日あたり約1万4000人の児童・生徒の来場を見込む。今月末までを期限に学校側へ意向調査を行い、「遠足への参加希望や希望日、交通手段などの聞き取りを進めている」(府教育庁教育総務企画課)という。
見学ルートや避難計画などの詳細は検討中だが、すでにツッコミどころは満載だ。万博遠足について、共産党の府カジノ・万博PT責任者を務める辰巳孝太郎元参院議員は自身のXで〈パビリオンは選べない(抽選)〉〈万博駐車場から入口まで1キロ徒歩移動。→小1だと30分かかる〉〈児童・生徒は1.4万人/日なのに昼食をとる団体休憩所は2000人まで〉などと指摘している。
休憩所は巨大リングからも遠い
会場入り口まで30分歩かされ、興味のないパビリオンを見させられた挙げ句、ランチの場所も確保できない――これだけでも過酷な遠足だが、ランチの場所に想定されている団体休憩所の位置が最悪だ。府教育庁の資料によると、万博会場となる夢洲の西端、屋外イベント広場横のトイレ建設中にメタンガスによる爆発事故が起きた「夢洲1区」に設置されるというのだ。改めて辰巳氏に聞いた。
「1区はメタンガスが1日1トン以上出ている埋め立て地ですから、危険なのは当然。そんなところに安心して子どもたちを連れて行けません。引率する学校側も大変です。何より、吉村知事から『爆発事故が起きたけれども、安全だから大丈夫』との発言もない。加えて、団体休憩所は、パビリオンが密集する巨大リングからかなり離れています。会場内の施設配置にも首をかしげざるを得ません」
夢洲1区から団体休憩所を移動しないのか。万博協会に尋ねたが、期限までに回答はなかった。
ガス抜き処理を施しているとはいえ、再び事故が起こる可能性はゼロではない。大人の自己満足のために子どもの安全を犠牲にしてはダメだ。