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【たべもの】うどん発祥の地は香川県ではなかった!「饂飩蕎麦発祥之地」の石碑が示す始まりは
香川県ではなく福岡県なんだって。
記者 はい。福岡市博多(はかた)区の承天寺(じょうてんじ)に「饂飩蕎麦(うどんそば)発祥之(の)地」の石碑(せきひ)があり、寺を開いた僧侶(そうりょ)の聖一国師(しょういちこくし)が1241(仁治(にんじ)2)年、中国の宋(そう)から麺(めん)の製法(せいほう)や製粉技術(せいふんぎじゅつ)を持ち帰ったのが始まりとされています。ただ、それから400年以上も前に空海(くうかい)(弘法大師(こうぼうだいし))が中国の唐(とう)から持ち帰った製法が讃岐うどんの起源(きげん)になったという言い伝えもあり、諸説(しょせつ)あるようです。
Q 讃岐うどんとの違いは?
A コシの強さで知られる讃岐うどんに対し、福岡のうどんは麺が柔(やわ)らかいといわれます。
待つのを嫌う「博多っ子」の気質(きしつ)に合わせ、すぐ提供できるように麺を先にゆでておいて、
温め直して出すからです。定番の具がゴボウの天ぷらや、丸い形のすり身を揚げた「丸天(まるてん)」というのも他の地域との違いです。
Q 消費量(しょうひりょう)も香川県と争っているの?
A 残念ながら遠く及びません。総務省(そうむしょう)の家計調査(かけいちょうさ)によると、
2018~20年の1世帯当たりの「生うどん・そば」の県庁所在地・政令市別(全52市)の消費量は
やはり高松市が1位で、北九州市は32位、福岡市は42位でした。
Q 今ではあまり愛されていないんだ。
A そんなことはありません。福岡には「資(すけ)さんうどん」「ウエスト」「釜揚(かまあ)げ牧(まき)のうどん」という人気の3大チェーンもあります。いずれも広い駐車場や座敷(ざしき)を構(かま)える店舗が多く、家族連れが訪れやすいので地元の人は幼い頃からうどんに親しみます。麺業界に詳しい福岡県在住のヌードルライター、山田祐一郎(ゆういちろう)さん(43)は「福岡はラーメンやちゃんぽんもおいしいのでうどんだけが目立つことはない。けれど好きなうどん店の話題になると、結構(けっこう)盛り上がる」と話しています。