2024/05/02/ 07:00
小山歩
dot.オリジナル
目次
2ページ目 ・「内定式で聞いていた話と違う」
3ページ目 ・飲み会不参加は「死刑」
4ページ目 ・「就活の早期化」も影響
写真はイメージです(Getty Images)
新年度が始まって1カ月しかたたない中で、早くも新社会人の“退職ラッシュ”がニュースになっている。SNSでは「初日でやめたい」などの声があふれ、4月中旬には、希望とは異なる部署に配属されて不満を抱く「配属ガチャ」というワードがトレンド入りした。新社会人の4月といえば、まだ本格的な仕事も任されない時期だろうが、「現場」では一体何が起こっているのか。今年、入社1カ月もたたず会社を辞めた2人の新社会人に話を聞いた。
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「もうやめます」
東京・中野区に住む勝俣真司さん(仮名=23)が上司にそう告げたのは、4月中旬。入社して約2週間しかたっていなかった。
勝俣さんが新卒で入社したのは、大手不動産グループの子会社。不動産業を営む両親をもち、勝俣さん自身も大学時代に宅地建物取引士の資格を取った。いつかは親の仕事を継ぐことも考え、投資用マンションや法人相手の営業なども経験したいと思い会社を選んだ。
だが、その思いは入社してすぐに砕かれる。4月から始まった研修で与えられた課題は「駅での名刺配り」だった。