日本のみならず世界中でオーバーツーリズム(観光公害)が問題になっており、イタリアの観光地・ベネチアでは日帰り観光客から入場料を徴収する制度が導入され、スペイン領カナリア諸島では抗議活動がおこなわれる、などの動きが起こっている。こうしたなか、海外紙の読者からは日本で講じられた措置に同情する声も出ている。
●SNS時代の旅行「なんと哀れなこと」
英紙「テレグラフ」は、「富士山を望む日本の町、観光客の視界を遮る幕を設置」という見出しで記事を掲載。違反駐車やごみのポイ捨てに悩まされる近隣住民の声などを伝えた。
さらに「大量の観光客が日本の他の観光地でも問題を引き起こしている」とし、京都・祇園では「パフォーマンス・アーティストである芸者へのパパラッチ」問題を受けて狭い裏通りへの観光客の立ち入りが禁止され、富士山でも今夏から入山規制が導入される、といった事例を紹介した。
このニュースに興味を持った読者も多くいたようで、200件近くの読者のコメントが寄せられた。
なかでも、旅先で目の前の風景に注意を払わず、写真を撮って投稿することに夢中だとするSNS時代の旅行スタイルへの批判的な意見が目立った。
ある読者は、「現代における旅行とは、何を見るか、何を経験するかではなく、何を投稿できるかだ」と皮肉った。