2024年4月24日 20時04分
東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に反対する市民団体が24日、放出の停止を求める岸田文雄首相宛ての署名18万4712筆を経済産業省に提出した。
原発に依存しない社会の実現を目指す「ミライノウミプロジェクト」に賛同する福島県平和フォーラム、原子力資料情報室、原水爆禁止日本国民会議の3団体が署名を呼びかけた。停止を求める理由には、放出する処理水に放射性物質のトリチウムが含まれ、住民の反対や懸念が解消されていないことなどを挙げた。
海洋放出停止を求める署名を経済産業省の担当者(左)に提出する市民団体の関係者ら=24日、東京・永田町の衆院第2議員会館で
この日、団体の関係者が東京・永田町の衆院第2議員会館で経産省の職員に署名を手渡した。団体側の出席者は「廃炉のための海洋放出は、原発事故の被害者に犠牲を押しつけることになる」として処分方法の見直しを訴えた。
処理水の海洋放出は2023年8月に始まり、24年度は約5万4600トンが7回に分けて放出される計画。東電はトリチウム濃度を国の排水基準の40分の1にするため、大量の海水と混ぜた上で放出している。