2024.04.22 18:46 NEWSポストセブン
栃木県那須町で焼損した2人の遺体が見つかった事件。まもなく発覚から1週間を迎え、奇怪な事件の詳細が徐々に分かってきた。栃木県警と警視庁は合同捜査本部を設置し、捜査を進めている。
「警察は4月21日、遺体が見つかった翌日の17日に都内の交番に出頭してきた埼玉県内に住む建設業の平山綾拳容疑者(25)を死体損壊容疑で逮捕しました。平山容疑者は『頼まれて車を貸しただけで、殺害には関与していない』などと話しています。『アニキに頼まれて、車や携行缶を準備した』とも話していますが、その“アニキ”について詳しいことは話していません。取り調べに応じていますが、“アニキ”の名前は自白しないそうです。事前に仲間内で相談した上で、ひとりで出頭したとみられています」(大手紙社会部記者)
遺体の1人は上野で飲食店14店舗を営む宝島龍太郎さん(55)と判明。もう1人の遺体は、連絡が取れなくなっている宝島さんの奥さんとみられている。司法解剖の結果、死因は窒息死とみられることから、何者かが殺害して遺体に火をつけたとみられている。
「猟奇的な事件に警察も取材陣も過熱しています。平山容疑者の黒いセダンタイプの車が事件現場周辺などで確認されており、出頭から数日を経て事件に関わった可能性が高まったとして逮捕しました。ただ平山容疑者は宝島さんについて『名前も知らない』と話しており、別の人間を主犯とみる警察の捜査が続いています」(同)
「和彫の入れ墨」容疑者に意外な一面
平山容疑者は埼玉県越谷市の2階建てアパートの2階に住んでいた。しばらく帰宅していないせいか、玄関前にはウォーターサーバーの替えの水ボトルが置かれたままだった。近隣の30代女性が話す。
「(平山容疑者が)引っ越してきたのはつい2~3ヶ月前です。見た目はいかついですが、挨拶をすると、『あ、こんにちは』と普通に返してくれるようなヤンチャな雰囲気の男性でした。ランニングシャツにハーフパンツで出歩いていたときには、和彫りの刺青も見えました。風格があり、10歳くらい年上に見えましたね。
仕事は朝の5時くらいには出て行って、夜8時くらいに帰ってくる生活だったと思うんですが、いつも作業着を着ていましたね。最初はトラックで送り迎えされていたと思うんですけど、途中から黒の車を買ったんだなーって。クレーンで吊られて押収されていたのは見ましたが、まさかこんな事件と関わっているとは思いませんでした」
近隣では金髪の水商売系の女性と歩いている姿なども目撃されていたが、トラブルなどは特になかったという。平山容疑者が高校卒業後に通っていたスポーツ系の専門学校の同級生にも話を聞いた。
「彼は同じスポーツ系の専門学校に通っていました。ずっとサッカーをやっていた。高校、専門とキャプテンをやっていて、チームをまとめたいというリーダーシップがあり、仲間思いの男です。卒業後もやりとりはありました。
彼は卒業後に、専門学校で学んだストレッチ技術を生かした専門店をしていましたが、2年くらいで辞めて建設業を転々としていました。私生活では渋谷や六本木のクラブに出入りしていたのですが、上野と何のつながりがあるのか分かりません」
同級生内で平山容疑者は「積極的に事件に関わるような人間ではない」というのが、共通認識だという。
「彼自身が自発的にやったとは誰も思っていないんです。やらされているというか。ただ、性格からしても、誰かに頼られたり言われたりしたらやってしまうという感じなんで……」
平山容疑者はかばっている“アニキ”に頼られたのだろうか。捜査員は、平山容疑者を落とす(自白させる)ことができるのか。真相解明が待たれる。