2025年に開催される大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」の像に複数の傷がつけられていた事件で、大阪府警は19日、団体職員の男を器物損壊の疑いで書類送検した。これにより、事件の発覚当初の維新関係者の発言に非難が殺到している。
大阪市役所前にあるミャクミャクの大型モニュメントが被害に遭い、複数箇所で赤い塗装がはがれ、下地の白い部分が露出していた。被害が判明した3月13日、大阪府の吉村洋文知事は報道陣に「万博に対して反対の意見があったとしても、こういった暴力行為、犯罪行為は控えていただきたい」と述べた。記者からは「まだ反対した人がやったか分からない」と問われたが「強い意志がないと、なかなかあそこまでの傷を付ける行為はできない」「普通に考えたらミャクミャクは万博の象徴ですから、万博に対して良く思っていない人がやった可能性は高い。まあ、分かりませんけど」と答えていた。
さらに同日、日本維新の会の音喜多駿参院議員もX(旧ツイッター)に「これは酷い。どれだけ万博に反対意見をもっていたとしても、暴力・破壊行為に及んではならない。警察には徹底捜査をしていただきたい」と投稿。大阪維新の会の佐竹璃保大阪市議もXで「万博反対の声として、器物破損のやり方は正解でしょうか」と続いた。
だが、共同通信は書類送検された男の供述として「終電を逃し、酔っぱらっていたことも相まって、イライラを発散させた」と報じている。他の複数のメディアも同様の内容で、今のところ動機に「万博反対」という文言は出ていない。
このため、X(旧ツイッター)では吉村知事らの発言に対する批判が高まる結果に。「犯人を万博反対派と決めつけた」「誤った印象操作」「被害妄想もいい加減にしてほしい」「これほどまでに府民に対する敵愾心や猜疑心をむき出しにする度量のなさ」「自分達と考えの合わない住民を犯人と決めつけて、その噂を世間に流す人間に政治家をさせておくのは危険だ」などの声が相次いでいる。