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【韓国情報機関】演習中止なら対話進展も 北朝鮮の食料一段と不足
北朝鮮の金正恩総書記=平壌(朝鮮中央通信が7月30日配信)(AFP時事)
【ソウル時事】韓国情報機関の国家情報院(国情院)は3日、南北首脳の親書を通じた通信線復旧について「北朝鮮の金正恩総書記が要請した」と国会で明らかにした。金与正朝鮮労働党副部長が8月の米韓合同軍事演習の中止を求めたことに関しては「中止する場合、南北関係で相応の措置を取る意向を示したものだ」と分析した。
出席議員によると、朴智元院長は通信線復旧に関し「韓国が米朝対話再開に向けて役割を果たしてくれることを(北朝鮮が)期待している側面もある」と指摘。「(南北から)対話のモメンタム(機運)をつなげ、北朝鮮非核化の大きな絵を描くためには、米韓演習に柔軟に対応することも検討すべきだ」との見解を示した。
国情院によると、食料事情が悪化している北朝鮮では今年の穀物需要に対し100万トン余り不足。市場が開いているのは約3割で、昨年の半分の水準という。北朝鮮当局は戦時備蓄米を困窮世帯や地方の機関、企業所の労働者に配給した。
さらに7月中旬以降、猛暑で稲やトウモロコシが枯れたり、家畜が死んだりする被害が発生。北朝鮮軍は夏季の野外訓練を最小限にし、被災地支援に当たっている。8月には豪雨被害が予想され、浸水が見込まれる住民に既に避難指示が出ている。
一方、国情院は、北朝鮮が制裁緩和を米朝対話再開の条件と見なしていると分析。鉱物輸出や石油精製品の輸入のほか、エリート層への配給用として高級ウイスキーや背広の輸入も望んでいると述べた。
時事通信 2021年08月03日20時38分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021080300854