大阪万博またまた軌道修正…赤字が出れば出るほど経済効果が上がる摩訶不思議|日刊ゲンダイ公開日:2024/04/18 06:00 更新日:2024/04/18 06:00
問題山積みの大阪・関西万博にまた軌道修正だ。万博の華といえる独自のデザインを競い合う海外パビリオンの建設が遅れに遅れ、60カ国が参加予定だったいわゆるAタイプの建設が、40カ国に減少するというのだ。
これはかなりの撤退ではないのか。だが、この万博に関しては、どんな負の情報もなぜか強気で発表される。
パビリオンが建たなかった土地は「芝生の公園」になるという。いや「静けさの海」みたいに言っているが、ただの空き地ではないか。
万博協会副会長の松本正義氏(関経連会長)の言い訳が「会場は意外と狭い。40ぐらいがいいんじゃないか」ときたから笑ってしまった。いやいや、だったら最初からそうしておけよ。
読売テレビ「ウェークアップ」では大屋根リングから生中継で吉村知事を出演させ、大ヨイショ大宣伝番組を放送。形ばかりの問題提起も行ったが、吉村知事は「メタンガス事故は原因究明中。会場ではもう起きません」「予算はこれ以上増えません」「工事は間に合います」と根拠を示さず断言。
いやいや、60が40になってる段階で間に合ってないから。それなら入場料7500円も3分の2にしてもらいたい。
しかも「開幕しても内装が間に合わないところはあるかも。でも前の万博でもそういう例はあった」と、また弱気なことを強気に発言。いやいや54年も経ってるんだから「今回はそういうことのないようにする」というのが普通なのでは。
だいたいこの人の断言は信用できない。「絶対実現させる」と言った大阪ワクチン。「大発見だ」と言ったイソジン。「自転車のように飛び回る」と言った空飛ぶクルマ。「増額しない」と言った予算は2倍に。
何より信用できないのは経済効果だ。建設費が倍増してから、なぜか経済効果の金額が増えた。よく見たら、建設費が増えればそれは建設業界の黒字になり、経済効果に算出されるのだ。
赤字が出れば出るほど経済効果が上がる。そんな不思議なことがあるだろうか。
要は我々の税金が回り回って企業を潤すと、経済効果が上がるらしい。