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【Money1】 「韓国ウォンはロシアのルーブルより下落した」世界主要31カ国通貨の中で最悪の下落
例えば、『朝鮮日報』には「大韓民国ウォンの価値が世界主要国の中で最も大きく下落したことが分かった」という傑作な記事です。
注目しているのは、03月29日から04月12日(の韓国時間)までどのくらいレートが変動したのかです。
韓国・ウォン:-2.04%
ロシア・ルーブル:-1.69%
イスラエル・新シェケル:-1.54%
ブラジル・レアル:-1.54%
主要31カ国通貨の中で最低の下げ幅を記録したのがウォンです。
ことほどさようにドルが強まっているわけですが、『朝鮮日報』は以下のように書いています。
(前略)
ウォン・ドル為替レートが1,375ウォンを超えたのは、外国為替危機の時である1997~1998年、
グローバル金融危機時期である2008~2009年、アメリカ合衆国の急激な基準金利引き上げが現れた2022年程度を除いて他にない。
(後略)
『朝鮮日報』が「外国為替危機」と書いているのは、アジア通貨危機(韓国内ではしばしば「IMF危機」)、
「グローバル金融危機」と書いているのは「韓国通貨危機」のことです。
「アメリカ合衆国の急激な基準金利引き上げが現れた2022年」と書いていますが、それよりも重要なのは、
世界的なドル不足で韓国もドルが枯渇。ドボン寸前までいって、『FRB』(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)の
提供する「ドル流動性スワップ」で救われた「2020年03月」です。
以下をご覧ください。ローソク足1本が1カ月の値動きを示す「月足」にしたドルウォンチャートです。
このときは、現在からするとレートはかわいいものですが、それでも韓国がドボン寸前に陥ったことを忘れてはならないでしょう。
このとき韓国メディアは「通貨スワップがいる」の大合唱でした。
「米韓通貨スワップを締結すべき、日韓通貨スワップでもいいぞ」などという言説が連日のように現れました。
なぜ日本が紙くずのようなウォンと日本の持つドルを換えてやらねばならないのか、サッパリ分かりませんが、
世にもあほらしいことに韓国メディア(恐らく水面下では韓国政府)は必死で本気だったのです。
韓国だけがぶっ飛ぶという話なら、合衆国も「知らんがな」だったのですが、韓国にとって幸いなことに、
このときのドル不足は「世界的」なもので、このままドル枯渇が進行すると合衆国も被害を受ける――という状況でした。
そのため、『FRB』(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)は世界9カ国の中央銀行とドル流動性スワップ
(韓国の呼称では「通貨スワップ」)を「臨時で」締結するという措置を取りました。
臨時でスワップライン(ドル流動性スワップ)を締結した中央銀行
・オーストラリア準備銀行
・ブラジル中央銀行
・デンマーク国立銀行
・韓国銀行
・メキシコ銀行
・ニュージーランド準備銀行
・ノルウェー銀行
・シンガポール金融管理局
・スウェーデン国立銀行
韓国はこれで救われました。いかに韓国が危なかったのかは、ドル流動性スワップが締結されてスグに『韓国銀行』が
「87億2,000万ドル」※も借りた(同価値分のウォンとスワップした)ことからも分かります。
『FRB』が臨時のスワップライン締結を発表したのが2020年03月18日。03月31日には第1次調達の契約を締結し、
04月02日には決済してもらっています。いかに当時、韓国にドルがなく、切羽詰まっていたのかが分かります。
※「07日満期:8億ドル」+「84日満期:79億2,000万ドル」の合計。これが第1次調達金額。
『韓国銀行』は臨時のスワップラインを利用し、第1~6次にわたって計187億8,700万ドルを連銀から調達。
利子を含めて「188億1,378万1,501ドル」を返済しました。
今回の本題に戻りますが――韓国という国は、自国通貨ウォンがローカルカレンシーに過ぎず「脆弱」なので、
弱くなってくると危ないのです。
主要通貨31カ国中で最も通貨安が進んだ、というのはウォンがいかに「貧弱な坊や」であるのかの証明といえるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)
2024.04.14
https://money1.jp/archives/125682