断崖に囲まれ、長く無人島だった北大東島は、南大東島よりは遅れたが、明治時代には開発が本格化。リン鉱石の採掘でも栄えた時期があり、鉱山遺跡はその後、国の史跡に指定されている。
島の面積は約12平方キロメートル。今はその3分の1をサトウキビ栽培が占める。収穫したサトウキビを粗糖(原料糖)まで加工しているのが、北大東製糖の製糖工場だ。
ほかの製糖業と同じように、毎年12月後半から翌年3月までの製糖期には、工場は24時間動き、収穫が止まらない限り休日もない。正社員も季節工も残業時間が長いことは確かだ。
「3カ月で100万円」季節工の魅力は・・・
北大東製糖でも島外からやってくる季節工に頼ってきた。残業代を含めて3カ月働けば収入は100万円に届くこともある。住居や食事代は安く、短期間で稼げることを魅力的に感じ、季節工の仕事を選ぶ人も少なくない