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【朝日新聞】五輪選手へ相次ぐ中傷 人格否定、被爆地からかう言葉も
体操男子個人総合で金メダルを獲得した橋本大輝選手(19)は、決勝翌日の7月29日、自身のインスタとツイッターに文章を投稿した。
「祝福のメッセージも寄せられ、多くの人に応援してもらっていると感じ、うれしい」とつづる一方、「SNSでの誹謗(ひぼう)中傷とみられるメッセージもあります」と明かした。
採点結果への批判が寄せられていたことから自身の考えも説明し、「誹謗中傷とみられる行為を行う人が少なくなることを願っています」とした。
こうした事態を受け、国際体操連盟(FIG)は同日、採点規則を示したうえで「採点は公正で正確だった」と声明を出す異例の対応をした。
サーフィン男子で銀メダルを獲得した五十嵐カノア選手(23)のツイッターにも、採点に不満を持ったとみられる人たちから「審判を取り入れた」「あなたはメダルに値しない」などの投稿が相次いだ。「広島と長崎」という言葉を使って被爆地をからかう言葉も見られた。
五十嵐選手はツイッターを更新し、「僕は常に相手に最大限の敬意を払っている。自分がコントロールできないことについて悪口を言いたがる人には我慢できない」と訴えた。だが、中傷する投稿はやんでいない。
一方、情報サイトの編集者が匿名アカウントで、女子テニスの大坂なおみ選手(23)に対して差別的な投稿をしていたことも発覚した。この編集者に業務委託していた徳間書店は「人権侵害を伴う不適切な投稿」と謝罪し、契約を解除したとHPで公表した。
SNS上ではアスリートたちに対して「弱い」といった批判や人格を否定するような書き込みがなくならない。誹謗中傷は選手に深刻な精神的不調をもたらす恐れがあり、IOCも強い懸念を示している。
IOCアスリート委員会のカースティ・コベントリー委員長(ジンバブエ)は7月29日の会見で「ここ数日、数人の選手がSNSから離れた。私自身も1年前にやめている。応援の言葉はうれしいけど、ネガティブなコメントもくる。たとえわずかでも、傷つく可能性がある。こういうことが起きていてとても残念だ」と話した。
IOCはパラリンピック選手を含めて、全選手が利用できるメンタルヘルスの緊急相談窓口を70カ国語で24時間開設しているほか、コーチやスタッフら最初の相談先になりうる人がどう対応するべきかをまとめたハンドブックをつくることを検討している。また、ヘイトスピーチや差別などに対して取り締まるを強化しているSNS各社の取り組みも支援していく構えだ。
中国サイト「中国から執拗な個人攻撃」
SNS上での選手への中傷を止めようと、周りの人たちも声を上げ始めた。
体操男子個人総合で橋本選手に…(以下有料版で、残り900文字)
朝日新聞 2021/7/31 19:26
https://www.asahi.com/sp/articles/ASP7064BDP70UTIL011.html?iref=sptop_7_01