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〝流浪のスラッガー〟筒香嘉智が5年ぶりに日本球界復帰へ 新天地候補に挙がる3つの球団 鬼筆のスポ魂
産経新聞
ジャイアンツの一員としてドジャースとのオープン戦に出場した筒香(左)。5年ぶりの日本球界復帰が濃厚となった=3月12日、グレンデール(蔵賢斗撮影)
〝流浪のスラッガー〟筒香嘉智内野手(32)=前ジャイアンツ3A=が5年ぶりに日本球界に復帰することが濃厚となった。古巣のDeNAを含む複数の国内球団と交渉中で、近日中にも最終決断を下す可能性が高い。
【写真】筒香選手が出身地の和歌山に自費で建設した球場。大リーグの球場と同じ天然芝が使われている
■米独立リーグでもプレー
「筒香は古巣への復帰を中心に日本球界に戻ることを決めたようだ。大リーグへの道がほとんど閉ざされた今、選択肢は日本のプロ野球に戻るしかないだろう」と大リーグ関係者は話した。
筒香は2019年までDeNA(11年まで横浜)に10シーズン在籍。968試合に出場し、通算977安打、205本塁打、613打点を記録した。16年には44本塁打、110打点をマークして本塁打王と打点王の2冠に輝いた。19年オフ、ポスティングシステムを利用してレイズに移籍。2年総額1200万ドル(当時のレートで約13億円)で契約し、メジャーでの活躍を夢見た。
しかし、レイズでは成績を残せないまま2季目の21年シーズン途中で戦力外通告を受けた。同年5月には金銭トレードでドジャースに移籍したが、右足を痛めて故障者リスト入りし、マイナー契約に。同年8月にはパイレーツとメジャー契約し、43試合で打率2割6分8厘、8本塁打、25打点を記録したが、翌22年は打撃不振で8月に自由契約となった。
そこからブルージェイズ、レンジャーズのマイナーチームを転々とし、米独立リーグを経て、23年にはジャイアンツとマイナー契約。今年のスプリング・キャンプには招待選手として参加したが、腰痛に苦しんで結果を残せず、開幕前の3月21日、自らチームを去る決断(オプトアウト)をした。
■球界改革を視野に活動
海を渡ってからの4シーズン、何度もメジャーの厚い壁にはね返され、それでも挑戦し続けてきた。苦境に立たされても意志を曲げず、「いつでも門戸は開放している」とラブコールを送り続けてきたDeNAに戻ることもなかった。筒香を知る関係者は「彼の中には日本の野球の体質を変えるという理想がある。野球発祥の地・米国でさまざまな経験を積んで、将来そのキャリアを日本球界に生かそうと考えている」と話した。
昨年12月には私費を投じて、故郷の和歌山県橋本市に大型野球施設「筒香スポーツアカデミー」を完成させた。トーナメント方式主体の高校野球をリーグ戦に変えることを理想の一つに掲げ、〝筒香球場〟をアマ球界の改革の拠点にしたいと考えているようだ。筒香はこうした経緯をたどった末、大リーグへの道が閉ざされた状況下で、日本のプロ野球界に戻る決意を固めたとみられる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e6e25c55401c79f56dbf2716cba22aabe9880409?page=1