会で報告した「反貧困ネットワークぐんま」の町田茂さんによると、1月にフリーダイヤルで同市の生活保護支給について情報を募ったところ、窓口で相談員に威圧的な態度で申請を思いとどまらせるような対応をされたという訴えが多数寄せられた。相談員から「帽子をかぶって何様だ」と追い返されたり、「全てお前に原因がある」などと人格を否定するような発言をされたりしたという訴えもあった。
情報提供時に「本当のことを話すと桐生市に仕返しをされる」「絶対に自分の名前を公表しないで」という人もいたといい、町田さんは「これまで窓口などでどれだけ多くの嫌がらせを受けてきたかが分かる」と説明する。
また、調査団の調べで、2012年7月から市が警察OBを非常勤嘱託職員として生活保護の面接相談業務の補助者として採用していたことも明らかになった。生活保護の相談者による威嚇や不当要求に対応する狙いだったが、警察OBは相談者が不当要求者でなくても相談員として対応していた。また専門外の就労支援員として勤務することもあったという。
市によると、福祉課には3係があり、現在は警察OBは保護係に2人、社会福祉係に1人の計3人が勤務している。調査団は「警察OBは対行政暴力事案に限って関与するよう見直すべきだ」として5日に市などに改善を要請する。