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【韓国】「東京五輪には失敗してもらいたい」東京五輪で日本の快進撃を素直に喜べない人たち 妨害行為にディスり報道相次ぐ
テコンドーは金ゼロ
開幕初日から日本の快進撃が続き、連日のメダルラッシュに沸く一方、お隣の韓国は選手の成績はさほど悪くないものの、国全体での盛り上がりには欠けるようだ。日本の奮闘を素直に喜ぶことができず、逆に足を引っ張るような報道が相次いでいる。韓国の事情に明るい羽田真代氏によるレポート。
筆者の知人の日本人アスリートがメダルを獲得し、その喜びを自身のインスタグラムに投稿しようとした際のことをこう明かしてくれた。
「インスタグラムのハッシュタグを確認したところ、『#東京オリンピック』は約26万件、『#tokyo2020』も約110万件あるのに対し、『#東京オリンピックのハングル表記』は100件ほど。それだけで判断するのは良くないけど、韓国では全く盛り上がっていないんじゃない?」
それぞれの数字はいずれも増えており、『#東京オリンピック』は約27.5万件、『#tokyo2020』も約128.5万件なのだが、『#東京オリンピックのハングル表記』は233件にとどまっている。韓国の大手ポータルサイト「NAVER」を見ても、トップページには「TOKYO2020」とアイコンが表示されているが、あまりにも小さくて目立たない。そして、そのアイコンをわざわざクリックしないと五輪の特設サイトにたどり着かない構造になっている。
韓国で国技といわれるテコンドーは、ひとつも金メダルを獲得できなかったものの、開幕7日目の韓国の獲得メダルは金:4、銀:3、銅:5で上から7番目。その健闘ぶりにもう少し盛り上がっても良さそうなものだが、開幕前から五輪ホームページ上の竹島表記に抗議したり、旭日旗掲出を禁止するよう国際オリンピック委員会(IOC)に働きかけたりしてきたこともあって、五輪の成功のみならず自国選手の活躍を素直に喜べない雰囲気があるようだ。
平昌冬季オリンピックは“失敗”の烙印
2018年に開催された平昌冬季オリンピックは、国内で“失敗”の烙印を押されている。田舎に建設された競技会場は使い道がなく既に取り壊されており、国民からは「ただの税金の無駄使い」と悪評ふんぷんなのだ。常に日本を上回っていないと収まらないお国柄から、東京五輪には失敗してもらいたいという気持ちがあるのは仕方がないのかもしれないが、日本の粗探しをして足を引っ張るような報道ばかりが目に付く。
具体例をあげると、競技そのものについては、〈韓国ウエイトリフティング選手、被れた段ボール製ベッドSNSに投稿…「あと1週間だけ耐えよう」(7.28 中央日報)〉や、「これが触れているだって? …金軟景(女子バレーのキム・ヨンギョン)を怒らせた日本人審判の判定(07.28 朝鮮日報)」などといったようなものだ。
あるいは、五輪に絡めた報道で言うと、「菅首相、五輪開催すれば支持率上昇すると述べていたが…また歴代最低を更新(07.26 ソウル新聞)」、「オリンピック開幕したが…日本、コロナ新規感染者急増(07.26 韓国経済)」「“恥ずかしい、税金を返せ”北野武、オリンピック開幕式批判(07.26 中央日報)といったところになるだろう。もっとも、韓国で五輪自体が盛り上がりにかけるせいか、これらのニュースが注目された形跡はないし、それよりもむしろ、韓国にとって不名誉なことの方が耳目を集め、今もなおくすぶり続けている。
たとえば、これまで報じられてきたように、サッカーの韓国対ニュージーランド戦で、ニュージーランド選手が韓国人選手に握手を求めたのにその手をはたくようにして拒否した件や、開会式で不適切な放送を行ったテレビ局が世界から批判された……といったようなものだ。
28日には、新たな妨害疑惑が取り沙汰された。卓球女子シングル日本・伊藤美誠選手と韓国の田志希(チョン・ジヒ)選手との試合で、カメラクルーが強力なライトを照らして伊藤選手のプレーを妨害しようとした疑いがもたれている。
伊藤選手の抗議を受けた審判からライトを消すように指示されたクルーはそれに従い、その後、これらの行為について「悪意はなかった」と否定しているのだが、なんとも後味の悪いものとなった。
羽田真代(はだ・まよ)
同志社大学卒業後、日本企業にて4年間勤務。2014年に単身韓国・ソウルに渡り、日本と韓国の情勢について研究。韓国企業で勤務する傍ら、執筆活動を行っている。
デイリー新潮取材班編集
2021年7月30日 掲載
https://news.yahoo.co.jp/articles/f006370dec2cba92036e9b47f64f7406a9919cbf