あわせて読みたい
「教科書に蛍光ペンでマークする」「書き写す」全て教育効果がなかったことが判明
https://president.jp/articles/-/79951
学習を効率よく進めるにはどうすればいいのか。アメリカの医師国家試験にトップ1%の成績で合格した米国内科専門医の安川康介さんは、「繰り返し読む、ノートに書き写す、蛍光マーカーで線を引くといった学習法は、いずれも効果は低い。効率を高めるには、科学的根拠に基づく勉強をしたほうがいい」という――。
科学的に効果が高くない勉強法1 繰り返し読む(再読)
教科書や本は何度も繰り返し読んだほうが良いと、どこかで聞いたり読んだりしたことがある人は多いかもしれません。繰り返し読む、再読するという勉強法は、最も一般的な勉強法の1つだと言えます。
アメリカのある名門大学の学生を対象にした調査では、アンケートに答えた84%の学生が、ノートや教科書の再読を試験対策に使う勉強法として挙げていました。そして、アンケートに答えた半数以上(54.8%)の学生が、再読が最も重要な勉強法だと回答しました。
では、再読は、効果の高い学習方法と言えるのでしょうか。
結論から言うと、「ただ繰り返し読むこと」は、『科学的根拠に基づく最高の勉強法』で説明するような他の勉強法と比較すると効果が低いことがわかっています。
(略)
科学的に効果が高くない勉強法2 ノートに書き写す・まとめる
再読の次に取り上げたい、あまり効果の高くない勉強法、それは「教科書や参考書の文章をノートにただ書き写す・まとめること」です。
教科書や参考書の内容を、綺麗な字でノートに書き写したり、まとめたりしているのに、試験の点数が芳しくない人は意外と多いのではないのでしょうか。参考書のポイントだと思う箇所や、英単語帳から英単語をノートに丁寧に書き写したり、まとめたりすることは、それだけで達成感があり、「勉強した気」になってしまう行為です。
(略)
科学的に効果が高くない勉強法3 ハイライトや下線を引く
「ハイライトすることや下線を引くこと」も、あまり効果のない学習方法です。色とりどりの蛍光ペンを使って単語や文章をハイライトすると、なんとなく勉強した気になります。けれども残念ながら、これにはあまり効果がありません。
(略)
ハイライトや下線を引くという勉強法は、文章を要約することと同様に、個人差があると言われています。つまり、強調する場所を選ぶのがうまい学習者もいれば、そうでない学習者もいて、そのハイライトした教材をどのように勉強するのかも人によって違ってくるのではないかということです。
(略)
使うなら効果の高い学習法と併用で
このようにかなり低い評価となっているハイライトと下線ですが、僕は本や教科書、学術論文などを読む時、ハイライトしたり下線を引いたりすることがよくあります。昔から使い慣れている日本のuniのプロパス・ウインドウ蛍光ペンをアメリカでも購入して使っているくらいです。大事なところは蛍光ペン、それよりちょっと重要性は落ちるけれど強調したい箇所は赤いペンで下線と、使い分けることもあります。
ハイライトや下線を引くことは、それほど手間がかからないことと、繰り返し通読することはしないので、あとで覚え直すところ、何か資料として使えそうなところはマークしておきます(なので、みなさんも気にせずにこの本にハイライトや下線を引きましょう)。
しかし、再読と同じで、あまり効果がないにもかかわらず「勉強した気になってしまう」ことがある点には注意し、ハイライトや下線を引くだけでなく、『科学的根拠に基づく最高の勉強法』で述べているように、「思い出してアウトプットする」といった効果の高い学習法も行う必要があります。