裏金問題で重い処分が下される見込み
3月25日の参院予算委員会で、裏金問題をめぐり安倍派幹部への再聴取に乗り出すことを表明した岸田文雄首相。対象者は塩谷立、下村博文両元文科相、西村康稔前経産相、世耕弘成前参院幹事長だ。
「2022年8月、安倍晋三元首相の死後に開かれた協議で4氏が派閥のパーティ収入の還流存続について話し合ったとされています。4氏には『非公認』や『党員資格停止』といった重い処分が下される見込みです」(政治部デスク)
これらの「重い処分」が下ると、政治家生命の危機に瀕する人物がいる。
「次期衆院選に無所属で出馬するとなると前回比例復活をしている塩谷氏は非常に厳しい。西村氏も泉房穂前明石市長といった有力対抗馬を立てられると落選の恐れがある」(同前)
政倫審への出席をいち早く表明するなど意気軒昂だったが、徐々に追い込まれている西村氏。それでも、 2月29日発売の週刊文春 で報じたように同月、地元明石市で後援者にこう宣言していた。
「仲間と一緒に活躍できる場を探って、中心でやっていけるよう頑張ります」
その言葉通りということか。3月19日夜、経済界の超重鎮たちの輪の“中心”にいたのが西村氏だった。
経団連、経産省の最高幹部たちによる極秘会食
夜の帳が下り始めた東京・日比谷のオフィス街。その一角に聳え立つ高層ビルの車寄せに次々と黒塗りの高級車が滑り込む。最後に到着したのは一際目立つ白のワンボックスカー。車から降りてきたのは今宵の主役の西村氏だった。
西村氏はエレベーターに乗り最上階へ。向かった先は中華料理店「日比谷聘珍樓」。日本に現存する最古の中華料理店で、言わずと知れた高級店だ。通されたのは赤と金を基調とした個室のVIPルーム。円卓を囲んで待っていたのは、経団連と経産省の最高幹部たちだった。
「部屋にはスーツ姿の人間が出入りし、何やら物々しい雰囲気でした。コース料理やビール、ワインなどが、10名分程運ばれていた」(居合わせた客)
この日西村氏の下に集った経団連幹部は、十倉雅和会長(住友化学会長)と小堀秀毅副会長(旭化成会長)、澤田純副会長(NTT会長)、久保田政一事務総長、岩崎一雄理事の計5名。経産省からは、飯田祐二事務次官以下、村瀬佳史資源エネルギー庁長官と山下隆一経済産業政策局長、伊吹英明製造産業局長、野原諭商務情報政策局長が同席した。
計11名が揃い、午後6時過ぎから始まった会食は午後8時にお開きとなった。すると、西村氏は人目を避けるように一人裏口から店を出ると迎えの車へと足早に向かった。それからおよそ10分後、他の出席者らが続々とエレベーターホールに姿を現した。和気藹々と帰路に就く経団連の面々の手には白い紙袋が握られていた――。
裏金問題の渦中にある前大臣と経団連、経産省の最高幹部たちによる極秘会食。一体何を話し合っていたのか。3月27日(水)12時配信の「 週刊文春 電子版 」並びに3月28日(木)発売の「週刊文春」では、その極秘会食の詳細を明らかにする。週刊文春の直撃取材に十倉会長が明かした「事実」とは――。