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【セ・リーグ順位】広岡達朗氏が“辛口予想”「巨人・岡本は貫禄も威厳もなくリーダーになれない」「立浪は論外」
巨人の名ショートとして活躍し、引退後は万年Bクラスだったヤクルトと西武を常勝軍団として日本一に導いた名将・広岡達朗氏。開幕を目前に、球界のご意見番に今季の順位予想と展望を聞くと、古巣・巨人への“愛のムチ”から始まった。
【広岡達朗氏のセ・リーグ順位予想】
1位・阪神、2位・巨人、3位・広島、4位・DeNA、5位・ヤクルト、6位・中日
巨人と阪神を見れば、やはり阪神のほうが上
阿部(慎之助・新監督)は原(辰徳・前監督)より数段いいよ。原が“欲しい欲しい”と他球団からFAで選手をいっぱい獲ったが、あれを阿部がどうするかが見どころ。
お相撲もベテランになると粘りがなくなり、すぐに土俵を割ったり、手をついたりしてしまうけど、同様に野球もベテランばかり集めてはダメ。選手が悪いのではなく、自然の摂理なんです。
巨人の元ショート(坂本勇人)はサードにコンバートされたが、体調不良で試合に出たり出なかったりしている。岡本(和真)も同様。(プロ10年目で)もう若手とは言えないが、若手に対して睨みが利かない。
川上哲治さんのように睨みが利くのがベテランです。センスがあっても後輩にアドバイスができない坂本はもちろんのこと、岡本も川上さんのようなリーダーにはなれない。威厳も貫禄もない。口をポカンと開けて、見るからにリーダーとは言えない。
そんな巨人と阪神を見れば、やはり阪神のほうが上だと思う。選手は若いし、岡田(彰布・監督)が苦労人だということもあって、リーダーとして存在感がある。
弱いチーム(オリックス)で勉強したのがよかったんだろうね。オリックスの監督時代、取材に行ったキャンプで「バッテリーが点を取らせなければ勝てるんだぜ」と言ってやると、すぐブルペンに足を運んでいた。すると選手は監督に見られているから一生懸命やる。素直なだけ、成長できる監督だと思ったね。
そういう目で見て、中日の立浪(和義・監督)には期待したが、論外。現役時代にショートをやっていて魅力があったが、監督としてやっていることがバカですよ。中田翔みたいな年寄りを獲ってどうするのか。どんなに優秀な選手でも、年齢とともに衰えるんです。自然の摂理というものは公平に訪れることに気づくべき。
だからヤクルトも、44歳(石川雅規)が先発の筆頭になっているようではダメ。あの監督(高津臣吾)も野村(克也)に教わっているから再生工場をよしとしているが、ベテランを終い(リリーフ)に持っていって1回か2回を任せればヤクルトは変わる。それができるかできないかだよ。
菅野(智之)? 終わり。悪口でなく、素材はいいが、やはり年齢的なものがある。惜しまれて辞めるのがプロなんです。“あの球が投げられなくなれば終わり”というぐらいのプライドを持たないといけない。
巨人は投手陣が育っていないが、本来はキャッチャーが育てるものなんですよ。それなのに、打てるからといって大城(卓三)を正捕手にする。それじゃ投手は育たない。阿部監督がキャッチャー出身だから期待はしているが、阪神のほうが選手は育っていて力は上。阪神が優勝で、追うのが巨人と広島ではないか。
※週刊ポスト2024年4月5日号
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