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水原一平通訳のギャンブル損失 アメリカでは「選手が通訳の借金穴埋めなんて理解しがたい」「なぜ私生活に関与?」と関係性に疑問の声
ドジャース・大谷翔平(29)の通訳を務めてきた水原一平氏(39)が違法賭博に関係したことを報じられてチームを解雇され、日本のファンに衝撃が走った。この騒動は米国でも注目を集めているが、日本での受け止め方と少し違ったところもあるようだ。
今回の騒動によって、大谷にとって重要な人物がチームを去ったことは間違いない。大谷翔平のインスタグラムのアカウントが、水原氏のアカウントのフォローを外したことが、話題となっている。スポーツ紙デスクが言う。
「大谷は213のアカウントをフォローしているが、その多くがラーズ・ヌートバー(26)のような親交があるメジャー選手やWBCで一緒に戦った日本代表メンバー。大谷はフォローは“友情のあかし”と話してきただけに、本人の意思なのか、関係者の指示かはわからないが、水原氏のフォローを外したことは“決別”の意味に見えます」
日本ではSNSのフォロー外しさえ話題になる状況だが、メジャーで2度のMVPに輝いている大谷だけに、米国でも注目度は高い。ただ、現地在住のスポーツジャーナリストは「米国での報道は、大谷と水原氏の関係性を説明する報道が目立つ」と話す。
「水原氏は、日本では“常に大谷の隣にいる通訳”として顔と名前が広く知られているが、米国では2人の関係についてもともとそこまで知られているわけではなかった。なので、違法賭博にかかわっていたという報道が出て以降、水原氏が大谷の“ベストフレンド”“パートナー”であるといった表現とともに、練習パートナーや運転手として私生活までサポートする関係であることが詳報されている。
今回、スポーツ専門局ESPNなど信頼度の高いメディアによって、水原氏が違法のスポーツ賭博で作った借金について、大谷の口座からブックメーカーに穴埋めの送金があったと報じられている。大谷の意思で送金があったのかは現時点ではっきりしていませんが、選手が通訳のギャンブルの借金を代わりに返済した可能性があるという関係性が、米国では理解しがたいものと受け止められているのです」
二刀流ゆえの役割の多さも
メジャーリーグに詳しいジャーナリストはこう言う。
「メジャーに多いスペイン語通訳の場合、グラウンド上の役割が主。その印象が現地では強いのでしょう。それに対して日本語通訳は車の運転手をしたり、キャッチボールの相手もすれば、食事の手配など24時間体制でサポートしていることが少なくない。代表例が水原通訳でした。
特に大谷の場合、遠征先ではほとんどホテルから出ないため、食事の面倒も見ないといけない。遠征先に限らず、エンゼルス時代の大谷は自宅があるアナハイムから車で15分のコスタメサにある水原通訳の父親が経営する寿司店で食事をすることが多かったようですからね。大谷のすべてをサポートしないといけなかった。そこまでの事情は、これまで米国ではあまり知られていなかったでしょう」
二刀流の大谷は、ベンチで監督やコーチ、他の選手とコミュニケーションを頻繁に取らなければならない事情もある。
「投げている時は監督やコーチが状態を常に聞きに来るし、バッテリーの打ち合わせもある。DHの時は相手ピッチャーのことを同僚から聞かないといけない。だから、主力とベンチ内で話している姿がよく見られる。ピッチャーだけなら投げない日もあるが、二刀流だから投げる日は倍忙しくなる。
水原氏は大谷のデータ係もやっていた。タブレットを持って大谷と話をするシーンがよく流れていたが、大谷の場合は左対左のワンポイントピッチャーが出てくることも多いし、大谷に新しいピッチャーをぶつけてくるケースも目立つ。昨年からメジャーは全球団と対戦する仕組みになり、聞いたことがないピッチャーが出てくることも増えた。その時にデータを見せ、レポートを読んで説明する役割を担っていた」(同前)
水原氏は時間を見つけては他の選手とコミュニケーションを取っての情報も収集していた。そうした行動が大谷の活躍に貢献していたのも事実だろう。こうした通訳との二人三脚は米国の野球ファンには馴染みがなかったのかもしれないが、開幕したばかりの今季の大谷に与える影響は相当に大きい可能性がある。
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