政府は、外国人労働者を受け入れる在留資格「育成就労」の創設を柱とした入管難民法などの改正案を15日に閣議決定した。従来の技能実習制度に代わり、就労1~2年で職場変更(転籍)を可能とする。一方、永住許可を得た外国人が故意に税や社会保険料を納付しない場合に永住者の在留資格を取り消せる規定があり、日本弁護士連合会が撤回を求める会長声明を出すなど懸念の声がある。
19日の記者会見は、法改正に反対する弁護士グループが主催した。指宿昭一弁護士は「急病や失職で税金を払えなくなったり、在留カードの携帯を忘れたりしただけで永住権を剝奪(はくだつ)される事態が起きてはならない」などと指摘し、「永住者を一生不安にし、安定を与えない法律だ」と批判した。制度改正を検討した有識者会議では議論されなかった規定が突如、浮上したとも述べた。
会見に出席した英会話学校講師で英国人のアダム・ブラウンさん(35)は、日本人の妻との間にいる11歳の息子から「パパ、送り返されちゃうの?」と聞かれ、「胸が苦しかった」と語る。「(外国人が)常に家族崩壊や強制送還におびえながら暮らす国を選ぶだろうか」と問いかけた。