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県内屈指の進学校の男子校「県立浦和高校」も共学に?…公立高校「共学化」勧告
3/15(金) 17:00 毎日新聞 【岡礼子】
https://news.yahoo.co.jp/articles/2a555f3370662ff06dbadae8311e70d01c76f42b
埼玉県立浦和高校で1月、県教育委員会が開催した勧告についての意見聴取会=さいたま市で2024年1月27日午前9時36分、岡礼子撮影
男女共同参画の推進や少子化を背景に全国の公立高校で共学化が進んでいる。男女別学の県立高校は関東に集中し、埼玉では12校が残る。その埼玉で、県の第三者機関が「共学化の早期実現を求める」勧告を出し、賛否が広がっている。勧告を受けた県教育委員会の「回答」期限は今年8月に迫る。県内屈指の進学校の男子校、県立浦和高校も共学になるのか?
勧告は2023年8月30日付で、弁護士ら男女3人からなる男女共同参画苦情処理委員が出した。公立学校が性別に基づき入学可否を決めるのは問題だと指摘。一方、別学校の保護者やOBからは「(別学は)教育の多様性で誇るべきだ」などの意見が上がる。
「全員が共学に行きたいわけではない」「経済的な事情があって別学に行きたい生徒の進路を奪う」
1月27日、浦和高校で県教委が実施した意見聴取会には卒業生100人超が集まり、議論が百出した。共学化反対の意見が多くを占めた一方、「県トップの浦和高校に女子が入れないのはおかしい」などの賛成意見もあった。
県内に残る別学校はほとんどが明治、大正時代に創立された伝統校だ。県教委は1月から3月にかけて、12校の同窓会、保護者らの意見を聞いている。
浦高同窓会は23年12月、別学維持を求める意見書をまとめ、県教委などに提出。勧告への反論の先陣を切った。意見聴取会でも野辺博会長が「別学廃止は高校の選択肢を奪う。国立の付属高校には別学があり、国も認めている。高校教育における別学の存在意義はむしろ大きい」などと意見書に沿って発言した。
別学は「時代遅れ」なのか。親子2代で浦高OBの室田浩司さん(58)は運動部が盛んな点にひかれ、浦高を選んだ。校風は「生徒の自主性に任せる」。だが、当時は生徒も教員もバンカラ気質で、「声や体格の大きさで優位に立てるような風土もあった」と振り返る。伝統行事として知られる50キロの強歩大会も「目標もなく、とにかく走るだけ」と感じていた。
だが、長男(28)が入学して変化に気づいたという。強歩大会は、自分で目標設定して達成を目指す「自分との戦い」を掲げていた。「(別学は)戦前の遺物のように言われるが、昔とは違う」と訴える。
浦高3年生の長男(18)がいる母親(52)は強歩大会について「今年だめだったら来年もっと走ればいい。常に自分のレベルを上げていく、そういう学校なんだって」と長男が生き生きと話したことを覚えている。
長男は体作りから取り組み、たんぱく質を多く摂取したり、時間制限をクリアするのに必要な速度を計算したりして臨んだ。母親自身は共学出身だが、「男の子をやる気にさせるのが上手で、おもしろいところだ」と感じた。異性がいないからこそ、恥ずかしいと思ったり、格好つけたりせずに熱くなれる。息子がのびのび過ごした教育環境を守りたい思いで、共学化の議論を見守る。
浦高は23年の東大合格者が36人で国内有数の進学校。宇宙飛行士の若田光一さんら著名人の卒業生も多い。
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