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『市民マラソン』人気が減速、定員割れ相次ぐ… コロナ対策や物価高で参加費高騰 競技者も減少
市民マラソン大会の人気が転換期を迎えている。全都道府県でフルマラソン大会が設けられるなど盛り上がりが続いてきたが、新型コロナウイルス禍を経て、定員割れや応募者募集に苦慮する大会が相次ぐ。新たな大会の開催中止や定員削減に踏み切る動きも出ている。
競技者も減少
3日午前、鹿児島市内を鮮やかなウェアをまとったランナーたちが駆け抜けた。
2016年から始まった鹿児島マラソン。錦江湾に浮かぶ桜島から薩摩藩が整備した工場群跡「旧集成館」まで、自然や歴史を体感できるコースが大きな魅力だ。
ただ、近年は募集に苦慮する。定員1万人のフルマラソンは19年までは定員を上回る応募があったが、コロナ禍を経て4年ぶりの開催となった23年は定員9000人に対して6469人にとどまった。今月3日の大会は7414人で、2年連続の定員割れとなった。
笹川スポーツ財団が2年に1度実施している推計によると、年1回以上のジョギング・ランニングを実施した人は20年にピークの1055万人を記録した。しかし、22年は877万人となり、6年ぶりに減少。コロナ禍で活動が制限される中、走り始めたものの続かなかった人が一定数いたとみられる。
こうした影響により、人気の大会でも競争倍率が低下している。
今年2月に行われた熊本城マラソン。熊本城周辺を発着点にしたコースが人気で、コロナ禍前の20年は定員1万3000人に対して2万5355人が応募した。今大会は4年ぶりに沿道での声出し応援を解禁するなど、おもてなしをアピールしたが、応募者は1万7964人となり1・38倍にとどまった。
1・6倍値上げ
「友達を誘ったけれど、『高いから』と断られてしまった」。熊本城マラソンで完走した熊本市中央区の会社員男性(25)が話した。
参加費が高騰していることも影響しているようだ。
コロナ禍では、消毒液の設置や参加者の顔認証など非接触型のシステムの導入といった感染対策が求められるようになった。加えて、人件費や物価高騰が追い打ちをかけ、参加費の値上げが相次ぐ。熊本城マラソンではフルマラソンの参加費を23年から4000円値上げし、1万4500円になった。昨年11月に開催された「福岡マラソン」の参加費は1万6000円。初年度の14年大会から10年間で1・6倍に増えた。
定員1万2000人に対し、2万6619人が応募するなど、今も高い人気だが、19年大会まで3~4倍で推移していた倍率が近年は2倍程度で推移する。担当課は「参加者からは『これ以上の値上げは困る』という声も出ている」と明かす。
多くの自治体が交流人口の拡大などを目的に大会の開催に取り組んできたが、マラソン人気の変化を受けて、大会創設を取りやめたり、定員を削減したりするケースも出ている。
プロランナーの川内優輝選手の出身地・埼玉県久喜市は1月、25年度以降の初開催を目指していたフルマラソン大会を断念した。
地元のハーフマラソン中心の大会で定員割れが起きていることなどから、大会の運営を不安視する声があり、「市を二分するのは避けたい」と判断した。
「高知龍馬マラソン」は、23、24年に定員割れが続いたことなどを受け、来年のフルマラソンの定員を1万2000人から1万人に減らす案を検討している。
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