読売新聞
和歌山県串本町の民間ロケット発射場で9日午前に予定されていた小型ロケット「カイロス」初号機の打ち上げの延期は、安全確保のために退避を求める「警戒区域」とした海域に船が残っていたことが原因だった。区域内の船を強制的に排除できる法的根拠はなく、今後、速やかに打ち上げる環境をどう整えるかという課題が浮上した。
「初めてということもあり改善すべきことはある。もっと早くから警戒監視活動をするのも一つの対策だ」
この日午後に同県内で記者会見した宇宙関連の新興企業「スペースワン」(東京)の阿部耕三執行役員は反省の弁を述べた。
海上保安庁によると、警戒区域は内閣府の指針に基づき、ロケット発射直後に破片が落下する恐れのある範囲を想定して、打ち上げを行う事業者が設定する。船に被害が出ることを防ぐためだ。