リクトマン氏は、勝者予測で「イエス」か「ノー」で答えられる13の指標を用いる。バイデン氏の勝利には最終的に八つ以上のイエスが必要で、そうでなければトランプ氏の勝利が予想される。
指標は次の通りだ。(1)中間選挙で与党が勝利(2)予備選で対抗馬がいない(3)現職(4)主要な第3党候補がいない(5)短期的な経済予測が良い(6)長期的な経済予測が良い(7)前政権から政策を変更した(8)社会不安がない(9)スキャンダルがない(10)外交・安全保障で失敗がない(11)外交・安保で成功がある(12)現職にカリスマがある(13)相手候補にカリスマがない―。
リクトマン氏によると、今のところバイデン氏に当てはまるのは(2)(3)(7)(8)(9)(13)の6指標。民主党内に主要な対立候補がいない現職で、トランプ政権時代から政策を変更している。社会不安やスキャンダルもない。トランプ氏については「ルーズベルト、レーガン両元大統領のように人々を鼓舞するカリスマはない」と指摘した。
明確に答えられないのは経済と外交・安保で、「今は経済がうまくいっているものの、将来は流動的だ。また、中東やウクライナの情勢に人々は不満を抱いている」と見る。その上で「トランプ氏が有利なのは、中間選挙で共和党が下院の過半数を制したことと、バイデン氏にカリスマがないことだけ」で、現状ではバイデン氏に分があると分析した。
バイデン氏は年齢による心身の衰えが不安視され、支持率が低迷している。それでもリクトマン氏は「大統領選は本質的にホワイトハウス(現政権)の実績と強さを評価するもので、過去の例からも世論調査は選挙の結果を予測しない」と語った。