2001年に閣議決定された政務三役が対象の「大臣規範」では、「政治資金の調達を目的とするパーティーで、国民の疑惑を招きかねないような大規模なものの開催は自粛する」と記載されている。
また、自民党がリクルート事件を受けて1989年にまとめた「政治改革大綱」では、党役員や閣僚の派閥離脱を求めている。だが、岸田首相は首相就任後も岸田派(宏池会)の会長にとどまり続けた。
野田氏は、「2022年に7回もパーティーを開き、売り上げが1億5510万円、利益は1億3609万円。大規模パーティーに当てはまるじゃないですか。総理大臣自らが(政治改革)大綱を破り大臣規範を守らなかった。なぜか」と問いただした。
これに対し、岸田首相は「勉強会だ。国民の疑惑を招きかねないということには当たらない」と述べたうえで、「大臣規範は、国民の疑惑を招きかねないという点について国務大臣が判断するというのが政府の従来の見解だった」と答え、なぜパーティーを繰り返し開催したかには正面から答えなかった。
野田氏は自身の首相当時を振り返り、「(私は)金欠だったが、パーティーをしようとは思わなかった」として、「ここまでお金を集めることに心を砕き、エネルギーを割くのか」「世襲でジュニアに移すための準備なのかとすら思ってしまう」と厳しく批判。
さらに、2022年6月、岸田首相の地元・広島で開催された岸田首相の「就任祝賀会」についても言及。祝賀会を主催した任意団体の代表は岸田首相の後援会長で、岸田事務所が受け付けをするなどしていたことから、「脱法パーティーではないのか」と問うた。
これについて岸田首相は「知事と地元の経済界・政財界が発起人となって開催された」と述べ、政治資金パーティーではないと強調。
野田氏は、「『任意団体がやった』と言えば、抜け穴になるからやめたほうがいいといっている。政治改革の先頭に立つ人が、なぜ抜け穴作りの先頭に立つのか。反省もなく答弁する姿がウソっぽい」などと批判した。
自民党の政治資金パーティー裏金事件を受け、岸田首相は「国民の信頼回復のために、火の玉となって自民党の先頭に立ち、取り組んでいく」と語り、党政治刷新本部の本部長に就任している。
だが、範を示すべき岸田首相が2022年に7回もパーティーを開き、その利益率が88%にのぼったことに、「X」では「#パリピ岸田」なるハッシュタグまで登場。批判的な声が多くあがっている。
《自民党の政治家は政治活動を金稼ぐ方法だと思ってるんだろうね…マジで辞めてほしい》
《刷新本部長が自ら汚れた雑巾というブラックジョーク》
《国のトップが7回もパーティをやる…なるほど 岸田はパーティ好きのパリピ民か うぇいよー》
《岸田首相が特定パーティー総収入2億円。利益率やべぇなオイ。2億の勉強会て!笑 人に教えれるんか?》
派閥から所属議員に渡された裏金を「還付金」と言い、政治資金パーティーも「勉強会」と主張する。そんな理不尽を通していては、国民の信頼回復などできるはずがない。