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「トランプ再選危機」叫ぶバイデン氏 高齢不安と若者離反を危惧
実績より「民主主義を救うために」
「考えてみてほしい。もし、トランプがこの選挙に勝ったらどうなるか」。バイデン氏は22日、西部カリフォルニア州で開いた支持者集会でそう問いかけた。再選を目指すバイデン氏は、ほころびが見える支持基盤や無党派層を意識し、政策の実績をアピールするよりもむしろトランプ氏への攻撃に力を入れている。
以前はトランプ氏をあえて名指ししないことが多かったが、最近は方針を転換している。この日も30分弱の演説で「トランプ」が14回も登場。支持者に向かって危機感を強調し、「民主主義を救う」ためにはトランプ氏に勝たなければならないと呼びかけた。
陣営が訴えている大きな柱は、この日の演説でも触れた二つだ。一つは、トランプ氏が任命した保守派の最高裁判事らが人工妊娠中絶の権利を保障する憲法判断を覆したことで、「中絶の権利という基本的な自由が奪われた」というもの。二つ目は、2020年大統領選の結果を受け入れず、連邦議会を襲撃した暴徒を「愛国者」と呼ぶトランプ氏らは民主主義を脅かしているという主張だ。
バイデン氏は、2期目の満了まで務めれば86歳になるという高齢不安の高まりと、支持基盤としていた若者や黒人の支持離れに神経をとがらせている。
ABCテレビが11日に発表した世論調査では、バイデン氏が2期目を務めるには「あまりにも高齢だ」と答えた人が86%に達した。4歳差のトランプ氏に比べて24ポイントも高かった。民主党支持層でもバイデン氏に対する見方は厳しく、「あまりにも高齢だ」と答えた人が73%を占めた。
バイデン氏の年齢に改めて焦点が当たったのは、副大統領時代の機密文書の取り扱いを巡る特別検察官の捜査報告書がきっかけだ。司法省が8日に公表した報告書は「バイデン氏の記憶力は著しく低下しているようだった」などと指摘。これを受けて記者団を前に反論したバイデン氏は、その直後にエジプトを「メキシコ」と言い間違え、高齢不安を逆にあおる形になった。
強固な支持層だった若者の支持は離れつつある。…(以下有料版で、残り819文字)全文1805文字)
毎日新聞 2024/2/25 18:54(最終更新 2/25 19:18)
https://mainichi.jp/articles/20240225/k00/00m/030/155000c