■11日~SNSの報告多数…17都道府県で確認
詐欺の可能性がある怪しい電話。今月に入って急増しているのが、“NTTファイナンス”を名乗るものです。留守番電話には、自動音声のガイダンスが流れ、国際電話のような番号が履歴に残っています。
「“NTTファイナンス”より重要なお知らせです。現在ご利用中の電話回線にて、未納料金が発生しているため、法的措置へ移行いたします」というメッセージが14日、留守番電話に残されていました。
NTTファイナンスは実在する企業ですが、公式ホームページを見ると、トップページの一番最初に詐欺に社名が利用されていると注意書きが掲載されています。
番組が同様の電話がかかってきたケースを調べたところ、今月11日ごろからSNSの報告が多数あり、17の都道府県で確認されていることが分かりました。
SNSから
「NTTファイナンスを騙(かた)る詐欺電話がかかって来た」(15日)
「未納って言葉を知らない子供にかけても仕方ないよ」(18日)
「翌日、妻、娘にも同様の着信。確かに増えているぞ」(18日)
■身に覚えない約30万円 架空請求のケースも
この事態に14日以降、全国の自治体や警察は特殊詐欺の電話に対する注意を呼び掛け始めました。
「オペレーターへおつなぎする場合は(1)を押してください」という音声が流れ、なかにはガイダンスに従って番号の(1)を押してしまい、身に覚えのないおよそ30万円の架空の請求を指示されたケースもあったといいます。
番組が取材したケースでは、ほとんどの人が留守番電話に残されていたため、被害はありませんでした。
■国際電話の手口が増えた背景 去年6月~
不安にかられて、着信履歴に残されていた番号にかけ直してしまうと、一体どうなるのでしょうか?
英語で「間違った電話番号にかけています。番号を確認してください」というようなガイダンスが流れています。こちらからかけ直すことはできませんでした。
今回、蔓延(まんえん)している手口には、今までにない特徴があります。電話番号を見ると、頭から「+1844」と続きます。「+1」はアメリカの国番号のため、国際電話でかかってきた電話番号であることが分かります。
特殊詐欺の対策ソフトなど開発している会社・トビラシステムズによりますと、これまでIP電話や固定電話からかけられていた詐欺電話が去年6月から、国際電話を使った手口に切り替わっているということです。
この背景には去年6月、政府がIP電話番号契約時の本人確認義務化を発表したことがあるのではないかと分析しています。