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【荒川和久氏】「フィンランドの出生率1.26へ激減」子育て支援では子どもは生まれなくなった大きな潮目の変化
子育て支援では出生数の増加にはつながらない。
この話は、もちろん私の感想ではなく、当連載でも何度もお話している通り、統計上の事実であるわけだが、この話は特に政治家にとっては「聞いてはいけない話」なのか、まったく取り上げようとしない。これも何度も言っているが、子育て支援を否定したいのではない。子育て支援は、少子化だろうとなかろうとやるべきことだが、これを充実化させても新たな出生増にはならないのである。
日本における事実は、2007年少子化担当大臣創設以降、家族関係政府支出のGDP比は右肩上がりに増えているが、予算を増やしているにもかかわらず出生数は逆に激減し続けていることはご存じの通りである。2007年と2019年を対比すれば、この政府支出GDP比は1.5倍に増えたのに、出生数は21%減である。
「岸田政権の異次元の少子化対策において児童手当などの予算が年1.2兆円規模で拡充されたことで出生率は約0.1引き上げられる」などという鉛筆なめなめの試算を出している御用学者がいるようだが、そんなすぐにバレる嘘をつけるメンタリティが凄い。
家族関係政府支出を増やしても出生数には寄与しないことは韓国でも同様である(参照→日本が学ばなければならない「韓国の少子化対策の失敗」出生率激減の根本理由)。
北欧を見習え?
そうすると、「見習うべきは子育て支援が充実している北欧である」という声が出てくるわけだが、その北欧の一角であるフィンランドの出生率が激減している現状をご存じなのだろうか?
フィンランドの合計特殊出生率は、2023年の速報統計で1.26になったという発表があった。過去最低と大騒ぎになった日本の2022年の出生率と同等である。
フィンランドの出生率の推移を見ると、特にここ最近の2010年以降で急降下していることがわかる。
コロナ渦中の2021年だけ異常値が発生しているが(これは欧州全体で発生した)、フィンランドと日本はほぼ同等レベルになったといっていい。むしろ、2018-19年には2年続けてフィンランドの出生率は日本より下だったこともある。
フィンランドには、子どもの成長・発達の支援および家族の心身の健康サポートを行う「ネウボラ」という制度があることで有名である。保育園にも待機することなく無償で通える。また、児童手当および就学前教育等が提供される「幼児教育とケア(ECEC)」制度が展開されるなど、子育て支援は充実していると言われている。が、そうした最高レベルの子育て支援が用意されていたとしても、それだけでは出生数の増加にならないばかりか、出生数の減少に拍車をかけることになる。
全文はソースで 2/20(火) 9:05
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/ce7ff73feadbf5998d2a378ce46413ee980dd799