納豆といえば、おいしく健康的な発酵食品のイメージが強い。その納豆が海外でも食べられつつあり、日本からの輸出金額がこの6年で倍増した。どんなふうに海外に普及しつつあるのだろうか。
国内で「金のつぶ」シリーズや、「くめ納豆」などを販売するミツカングループは、米国を中心に納豆輸出額が年間数%程度伸びているという。同社広報担当は米国などの現地販売についてこう話す。
「アジア系スーパーの販売店舗が増えていることで伸びています。購入される方はアジアの方が多く、食べ方は日本と同じとみています」
◆訪日時に「納豆巻き」に魅了されて…
訪日体験による納豆の普及もあるという。訪日外国人が納豆巻きなどで納豆を食べた経験から、帰国後も納豆を食べるようになったのではないかと同社はみている。
日本からの納豆輸出額は昨年約19億円と、前年に比べ7.6%増えた。’17年比ではほぼ2倍の急増ぶり。財務省貿易統計で昨年の輸出先割合を見ると、米国26%、中国21.7%、香港9.6%、台湾7.4%、韓国5.6%、豪州5.1%、カナダ3.6%など。
中国・香港向けに納豆輸出が増える背景に「健康志向」があるとみている全国納豆協同組合連合会の担当者はこう話す。
「日本食品への安心・安全思想があり、都市部を中心に広がっていった。日本の税関別の統計で見ると、北海道からの輸出が多く、北海道ブランドが立っている」
中国向け輸出拡大の歴史的な背景には、中国の最高実力者だった鄧小平氏が「改革開放」路線を進め、ヤオハンなどが中国へ進出して取り扱い、日系企業関係者のコミュにティなどから広まっていったとみている。
◆アメリカでは…たれや辛子を使わず、そのまま食べる!?
連合会の担当者は「現地で納豆への接触ポイントができることで普及していくのは米国も同じです」と話す。特に、米国での普及についてはこう指摘する。
「日系企業コミュニティからコリアンなどアジア系の人たちに発酵食が広まったほか、健康を軸にアングロサクソン系などにも広がっていった。健康食志向で、安心・安全の日本というイメージがあります」
日本では納豆をご飯とともに食べることが多い。海外の人は納豆をどんなふうに食べているのだろうか。