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教員の給与のあり方、議論開始…教員らが会見「教職調整額の引き上げで終わるのは最悪の結末」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240214/k10014358091000.html
2024年2月14日 18時08分
教員の働き方や教員不足が深刻な課題となる中、文部科学省は、中教審の特別部会で教員の給与のあり方について議論を始めました。ことし春ごろまでに一定の方向性を示す方針です。
教員の働き方などを議論している文部科学省の中教審=中央教育審議会の特別部会が開かれ、14日から教員の給与のあり方を含む処遇改善に関する議論が始まりました。
この中では、不登校の子どもや特別支援学級に通う子どもが増えるなど、教員の業務が多様化する中で、処遇改善の必要性や、教員の月給の4%を上乗せする代わりに残業代を出さないと定めた「給特法」の見直しなどについて、委員20人が意見を交わしました。
委員からは「長時間勤務の状況も依然として厳しい」とか「給与面で教員を諦める学生もいる」などと、改善が必要だとする意見が相次ぎました。
そのうえで、「給特法」については、「授業準備など教員の自発性にゆだねる部分も大きく、業務の線引きが難しいので、一律で上乗せする給特法の考え方は維持すべき」という意見や、「4%が妥当か検討し、引き上げるべき」とする意見が出されました。
一方で「民間企業では自己研さんも労働時間と認定されるケースが増えていて、民間の裁量労働との整合性を図るうえでも、給特法を抜本的に見直す必要がある」という意見も出ていました。
特別部会では、給与のあり方について、ことし春ごろまでに一定の方向性を示す方針です。
教員らが会見 「給特法」の抜本的な見直し訴え
教員の給与のあり方について、中教審の特別部会で14日から議論が始まったことを受け、教員や専門家などが文部科学省で会見し、月給の4%を上乗せする代わりに残業代を出さないと定めた「給特法」の抜本的な見直しが必要だと訴えました。
このうち岐阜県の県立高校に勤める西村祐二教諭は「上乗せ分を4%から引き上げても残業代を出さない仕組み自体が見直されなければ、残業時間は今のまま減らないことになってしまう。残業時間に即した給料を払う仕組みにすることで管理職が責任を持って教員の労働時間を管理し、残業を減らすことにつながる」と話していました。
また、東京大学の本田由紀教授は「授業や校務などやらなければならない本来業務が多すぎることで、教員の長時間労働は『過労死ライン』を超える人が多数いる待ったなしの状況だ。教員に余裕がないことで子どもにも影響が出ている。残業代を出さない給特法を廃止し、学習指導要領の見直しなど教員の多すぎる仕事量を削減することが必要だ」と指摘していました。
このほか労働問題に詳しい弁護士からは、特別部会での議論に現役の教員が参加していないことについて「なぜ当事者のいない場で議論しているのか疑問だ。労働問題の世界では、労働者が話し合いに参加するのは常識だ」という指摘も出ていました。
※別ソース
教員「定額働かせ放題」の要因? 給与制度の見直し議論始まる 元教員の乙武洋匡さんも廃止求める|FNN
https://www.fnn.jp/articles/-/657406
2024年2月14日 水曜 午後5:37
(略)
一方、文科省では14日、現役の教員らが会見を行い、給特法の廃止を訴えた。
高校教師の西村 祐二さんは「教職調整額の引き上げで終わるのは最悪の結末。結局そうなると、月1~2万円程度の手取りが増え、残業の扱いは変わらない。残業を減らすための改正を考えて頂きたい。」と話した。
また、元小学校教員で乙武洋匡さんは「すべては子どもたちのためにという金科玉条によって、無償労働を強いられているのが現状。給特法の廃止にこだわっている理由は、定額働かせ放題という仕組みを破壊しなければ、根本は解決しないから。教職調整額が4%が10%になったところで、いくら残業しても残業代が払われないということに変わりはない。」と強調した。
※全文はソースで。
※関連
質の高い教師の確保特別部会:文部科学省
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/099/siryo/mext_00009.html