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「絶対に“ノー”です」日本代表・森保監督が“絶対に許さない”タイプとは?「握手拒否で1週間謹慎の例も…」選手に課す“3つのルール”
サンフレッチェ広島時代の森保一監督。3度のJ1優勝に導き、黄金期を築いた (中略)
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森保監督が「絶対に許さないタイプ」
森保一には監督として絶対に許さないタイプの人間がいる。
「チームを批判する人間」と「チームの輪を乱す人間」だ。
書籍『プロサッカー監督の仕事』(森保一著)の中でこう語っている。
「『もし監督じゃなかったら何になりたかった? 』という類の質問があると、僕は『心理カウンセラー』と書いています。どうやってなるのか、何を勉強すればいいのかも知らないのですが、それくらい『人の心』に興味があるのです。
人の心を推察しても、その人を肯定することも否定することもありません。いろいろな個性があっていいと思うし、その中で周囲のことを思いやれる人間もいれば、自己中心的な人間もいます。それを否定することはしません。(中略)
ただ、それをサッカーチームに当てはめた場合、僕が絶対に許さないタイプも存在します。それは『チームを批判する人間』と『チームの輪を乱す人間』です。
別に性格やそれぞれの生活リズム、試合に向けた気持ちの持って行き方を崩してまでチームに合わせる必要はないと思います。しかし、チームメートやグループの輪が崩れるような言動は絶対に『ノー』です」
1週間謹慎になった理由
厳格に「ノー」といった有名な例が、2014年8月、サンフレッチェ広島でエースだった佐藤寿人に1週間の謹慎を命じた処分だ。
佐藤は鹿島アントラーズ戦のハーフタイムに交代を告げられたとき、みんなが見ている前で悪態をつき、森保との握手を拒否してしまう。森保はうやむやにせず、1週間の謹慎を通告。トップチームの練習中にピッチに入ることすら許さなかった。たとえエースでも輪を乱したら許さないという断固とした姿勢を見せたのである。
2024年1月に公開されたDAZNの佐藤寿人との対談番組において、森保は当時の心境をこう説明した。
「寿人が悔しさや辛さをさらけ出してくれたという意味では嬉しいです。選手には素で向かってきてほしいし、向き合いたいと思うから。ただ、あのときはチームの輪を乱すような行動だったので。1対1のときならば問題はなかったけど、みんなが見ている前でやったので、ペナルティを科す必要があると思いました」
森保監督「3つのルール」
当然、日本代表においても「チームを批判しない」、「輪を乱さない」ことにこだわっている。
前述の対談番組において、森保は規律に関して「3つのルール」を課していることを明かした。
1.時間を守る
2.内輪の問題は内輪で解決する(チームの外に出して問題を大きくしない)
3.仲間のことをSNSで傷つけたり不快な思いをさせたりしない
一点の濁りも許さない――クリーンな状態を保つのが、森保流マネジメントのベースだ。
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ただし、今でこそ「チームの輪」を重んじる森保だが、最初から理想のチームプレーヤーだったわけではない。
(以下、略)