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一方、日本は政治参加の水準が極めて低く、国民が投票以外の政治参加をほとんどしない「最小参加社会」(『政治参加論(2020)』蒲島郁夫・境家史郎)である。政治に対する不満や不信、将来に対する強い不安はあるものの、投票以外の行動には移さない。さらに、少数ながらデモに参加するような、政治的にアクティブな人に対する視線も冷たい。筆者らが行った研究では、日本人は政治的なデモ参加者と同僚になったり食事に行ったりすることを強く忌避する傾向を示した(『Why are politically active people avoided in countries with collectivistic culture? a cross-cultural experiment. Journal of Cross-Cultural Psychology(2021)』Testuro Kobayashi, et al)。また、こうした傾向がみられるのは研究対象となった9の国と地域(米国、英国、フランス、ドイツ、日本、中国、韓国、インド、香港)のうち、日本と中国だけであった。日本人は政治参加しないだけでなく、政治参加する人を避けるのである。