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13歳の新星・上薗恋奈は大人びた表現力が魅力 全日本フィギュアで4位、世界ジュニアにもエントリー
原石がキラリと輝いた。全日本選手権独特の緊張感が漂う中、上薗が伸びやかなスケーティングと、度胸あるジャンプ、中学生離れした表現で観客を魅了。SP、フリーともにジャンプを全て降り、GOE(出来栄え点)の減点なしの内容に、「いつもより緊張したが、初めての全日本を楽しもうという気持ちで臨めてたのが一番よかった」とほほ笑んだ。
「自分の魅力を出せるように」。今季の上薗が特に意識してきたことだった。試合前にジャンプの調子が上がらず、悩んだ時もあったが、樋口美穂子コーチから「自分の魅力を出した方が観客の皆さまに伝わる演技ができるよ」とアドバイスを受けた。
コーチと作り上げたプログラムには、大人びた表現や、得意のダンスが詰め込まれている。SPではピアノのメロディーに乗せて切ない表情を浮かべ、曲調が変わると、弾ける笑顔で軽やかに踊る。フリーでは重厚感と抜け感を、スケーティングに加えて上半身も使いながら表現。1つのプログラムの中でギャップを出しながら、上薗の魅力を引き出している。
名スケーターから影響を受けてきた。競技を始めるきっかけとなったのは、毎年1月にある名古屋スケートフェスティバルでのこと。4歳の時、バンクーバー五輪銀メダリストの浅田真央に手を振ってもらったことが忘れられなかった。自身の中で印象に残っているプログラムには、五輪を2連覇した羽生結弦が演じた「バラード第一番」や「SEIMEI」、バンクーバー五輪金メダリストのキム・ヨナ(韓国)による「007」を挙げる。美しいスケーティング、目線や指先の細やかな表現に心引かれた。
名前に入っている「奈」には、「世の中に大きく示す」という意味があるという。「恋する気持ちなど、素直な気持ちを示してほしい」との思いを込めてつけられた。13歳にして大舞台で存在感を示したが、競技生活ははまだまだ続く。年齢制限の関係で、19歳で迎える2030年の冬季五輪が最初に目指せる五輪となる。キラリと光る原石に、さらに磨きをかけていく。
▼上薗恋奈(うえぞの・れな) 2010年6月7日生まれ、愛知県北名古屋市出身の13歳。158センチ。5歳の時からフィギュアスケートに親しみ、7歳からグランプリ東海クラブに所属。山田満知子コーチに師事した後、樋口美穂子コーチが同クラブから独立して立ち上げたLYSに移籍した。小学6年で全日本ノービス選手権A優勝。中学1年の今季はジュニアグランプリファイナルで銅メダルを獲得した。趣味は人気キャラクター「クレヨンしんちゃん」のグッズ集め。
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rena.uezono
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