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【韓国】イガンインのSNSに誹謗中傷が殺到
事態は14日(現地時間)、英国メディアのザ・サンがアジアカップ準決勝を控えて代表チーム内部で物理的衝突があったと報道したことから始まった。 メディアは「イ・ガンインなど一部の若い選手たちが夕食を早く食べて卓球をし、主将のソン・フンミンがチーム団結時間に先に起きて個人行動をすることを叱責した」と報道した。 この過程でソン・フンミンとイ・ガンインの間でもみ合いが起き、周辺選手たちが止める過程でソン・フンミンが指脱臼にあったということだ。 大韓サッカー協会も当時、選手同士の争いがあったことを認めた。
15日、李カンイン(23)選手のSNSを確認したところ、2日間で約3万6000件あまりの非難コメントが寄せられた。 コメントには「韓国国籍を捨てて帰化しなさい」、「サッカー選手ではなく卓球選手になればよかったのに」、「(パリ・サンジェルマン所属選手)ムバペにも(ソン・フンミンにしたことと)同じようにしろ」等の嘲弄と非難が盛り込まれた。 イ・ガンインの他にソル・ヨンウ(26)、チョン・ウヨン(25)などのSNSにも数千~数万個の非難コメントが殺到した。
いわゆる「サイバーピラニア」現象が非難対象のSNSなど私的な空間まで侵犯しているのだ。 まるでアマゾンの人食い魚ピラニャのように、非難したい対象のSNSやユーチューブチャンネルを探して攻撃を浴びせるやり方だ。 2020年、悪質コメントに苦しめられ自ら命を絶った歌手兼俳優ソルリの死亡を契機にネイバーなどポータルサイトは芸能・スポーツニュースにコメント欄をなくした。 その後、個人に向けた直接的な攻撃が強化されたという分析も出ている。 ユーチューブでは確認されていない当時の選手間対話録など想像と解釈を加味したコンテンツも無差別的に広がっている。
無差別な悪質コメント攻撃は、当事者が謝罪してこそ、ようやく一段落する場合が多い。 ガールズグループニュージーンズのメンバーミンジは昨年1月、あるユーチューブ放送で「カルグクスって何?」と独り言を言ったが、1年以上悪質コメントに苦しめられた。 アイドルコンセプトのために意図的に知らんぷりをしたのではないかという非難だった。 ミンジは結局、先月16日、「同じミスを繰り返さない」と謝罪文まで掲載した。 それと共に「1年という時間の間にさらに多くの言葉がついてきて変な誤解を受けるのが私を知らず知らずに苦しめた」と吐露した。
オンライン上で特定個人に向かって吐き出す非難は、確証偏向に基づく場合が多いと専門家たちは指摘した。 成均館大のク・ジョンウ社会学科教授は「人々がますますオンライン空間で自身の感情を遠慮なく表出する現象は受け入れなければならない私たちの社会の変化」としながらも「完璧さの物差しを突きつけ道徳的に非難することは適切ではない」と話した。 檀国大心理学科のイム・ミョンホ教授は「比較優越心理が極端に表出されている」として「両極端にいる少数が相手をけなすことで優越感を充足し、特に不安を大きく感じる若い世代は行動に直接参加する傾向が大きく非難様相がさらに過激になった」と解釈した。