東京都港区の「骨董(こっとう)通り法律事務所」で、舞台や音楽、映像などの契約交渉やビジネス全般を支援する寺内康介弁護士(39)は2020年、東京地裁の判事補を最後に裁判官を辞めた。
大きな理由のひとつは「転勤」だった。
11年に裁判官になった。さいたま地裁・家裁を振り出しに、約3年で名古屋地裁岡崎支部に転勤した。妻とは共働き。出産時期と重なったこともあり、妻が育休をとって帯同した。
裁判官は3年前後で転勤を繰り返す。その2年後に東京に戻り、東京法務局への出向と東京地裁での勤務を計4年。次の転勤が近づいたことを機に辞める決心をした。原則として判事補を10年務めれば判事になり、1人で裁判することが認められる。10年まであと1年だった。
仕事自体は好きだったが・・・
寺内さんは「次は単身赴任が…(以下有料版で,残り2979文字)