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国立競技場の芝「もやしのよう」、パスにも乱れ…今冬は「気温と光のバランス悪く」
転載元: https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1707786334/
国立競技場の芝を管理する池田省治氏
東京五輪・パラリンピックのメイン会場だった国立競技場は今冬、天然芝のグラウンドが荒れる課題に悩まされた。サッカーやラグビーの利用頻度が増え、プレーによって傷んだ芝の回復が追いつかなかったためだ。国内のグラウンドキーパーの第一人者で、芝の管理を請け負う池田省治氏(71)にとって試行錯誤の冬となった。(青柳庸介)
池田氏は、旧国立競技場やJヴィレッジ(福島県)などを手掛け、新しい国立競技場の芝も2019年の完成時から手入れしている。観客席の屋根に遮られて日当たりが悪い構造に加え、「ピッチ内のセレモニーや公式練習なども多い」のが特有の課題という。
今冬は天候にも悩まされた。「特に昨年11月は日照が少ないのに暖かく、気温と光のバランスが悪かった。芝がもやしのように細くなった」。部分的に芝を張り替えたり、種をまいて照明装置で発芽を促したりしたが、試合のたびに芝が削られた。根こそぎ剥がれるような事態はなかったものの、サッカーではパスが乱れるなどの影響があった。
日本スポーツ振興センターによると、23年度はサッカーとラグビーだけでも利用日数が計50日間を超える予定。芝の状態が芳しくなかった昨年11月下旬から年明けにかけては大会が目白押しで、池田氏は「年末年始に向けて種をまいたのが奏功し、なんとか持ちこたえた」と振り返る。
良質の芝を維持しながら、国立競技場の利用を増やせるか。池田氏は「今冬のチャレンジは良い勉強になった。中長期的な対応も考えながら、一つの試合が終わったら状況を把握し、また次に向けて準備したい」と前向きに話している。