石川県警七尾署などは7日、能登半島地震で屋根が壊れた家にブルーシートを取り付ける工事の契約に不備があったとして、特定商取引法違反(不備書面の交付等)の疑いで、神戸市の4人を逮捕したと発表した。県警は4人の認否を明らかにしていない。
逮捕されたのは、神戸市北区有野台9丁目、会社役員の松永大輔(45)、同市西区南別府1丁目、自称アルバイトの横井太樹(43)、同市垂水区多聞台3丁目、自称自営業の古畑良士(35)、同市北区青葉台、自称リフォーム業の臼杵昌悟(26)の4容疑者。
県警生活安全捜査課によると、4人は1月3日、家屋が被災した七尾市の70代女性に屋根を覆うブルーシートの取り付け工事をもちかけた際、契約解除に関する事項など法令に定められた内容を記載していない書面を渡した疑いがある。同市の60代男性には書面を渡さなかった疑いがある。
男性の親族が県警に「屋根にシートをかけるだけで10万円という法外な請求をされた」と相談して発覚。女性は返金を受け、男性は支払わなかったという。
県警によると、被災した4市2町では1月末までに窃盗や器物損壊など35件の犯罪が起きている。
能登半島地震の被災地で、ブルーシートの工事をめぐり、初の逮捕となった。
会社役員・松永大輔容疑者(45)ら兵庫・神戸市の男4人は、1月3日、石川・七尾市の70代の女性ら2人と、被災した住宅にブルーシートを取り付ける工事の契約をする際、法令で定められたクーリングオフなどの書面を交付しなかった疑いが持たれている。
警察は4人の認否を明らかにしていないが、「シートをかけただけで法外な10万円の請求をされた」と警察に相談が寄せられていたということで、余罪についても調べる方針。
被災地では、雨漏りなどを防ぐためのブルーシートの取り付けで高額な請求をされる事案が相次いでいたが、逮捕者は初めて。
また警察は、珠洲市の空き家に侵入し、およそ3万円相当の銀杯などを盗んだ疑いで、大阪市の自営業・竹田亮太容疑者(37)を再逮捕した。
竹田容疑者は1月、別の半壊した住宅から模造刀などを盗んだ疑いで逮捕されていた。
能登半島地震による石川県内の死者は1人増え、241人と発表されている。